最初の友達
私は生まれてからと言うもの、友達という存在がいなかった。
もしかしたら近寄り難い雰囲気でもしていたのかもしれない。
そんな私に友達が出来た。
名前はみみ。
私の生まれて初めての友達だ。
清楚系美少女といった容姿で皆が彼女に釘付けになるほど。
そんな彼女が何故、私と友達になってくれたのか分からない。
けれど、私は彼女と一緒にいるととっても楽しいと思う。
なんと言うか心が安らぐ気がする。
まぁ、本人に打ち明ける気はないのだけど。
それから1年、彼女は転校することになった。
どうやら、親の転勤が決まったらしい。
私は彼女と別れの日まで、一緒にカラオケに行ったり、ゲーセンでプリクラなどを撮った。
彼女……みみとの思い出を作るために。
そして、みみの引越しの日に私は熱を出した。
こんな日に限って、私は運悪く体調を崩してしまう。
(もう……会えないのかな)
私は布団の中でぼんやりとそう考えているとスマホの着信音が鳴った。
誰からだろう?と確認すると、みみからだ。
彼女からメッセージが送られていた。
『また、会いましょう』と。
そのメッセージを目にした私は一粒の雫をスマホの画面に落としてしまった。
END
犯す理由
世の中には犯罪が蔓延っているけれど、一番身近に起こるのは万引きな気がする。
何故、万引きをするのだろう?欲しいなら買えばいいのにと思うことがある。
ふと、WEB小説を読んでいたらある文が書かれていたのを見つけた。そこにはこう言う風に書かれていた。
店員にバレないように品物をバックに忍ばせるスリルがたまらない……と。
その小説を読んでなんだか犯罪者って、結局は変な奴しかいないのだなと感じた。
END
飛べない翼
空を見上げるとふと飛びたいと思うことがある。
あの空で翼を広げて飛べたなら……なんてくだらないことを考えることがあった。
けれど、自分に翼があっても飛べはしないだろうなとも思う。
既に折られた翼は空に羽ばたくことは出来ないことは自覚していたから。
END
ススキ
通りかかった道で太一は道端に生えている淡く金色の植物に目を留めた。
それはススキと呼ばれる秋の植物である。
「あ〜もうそんな時期なんだ」
太一はススキを見て、そう呟く。
ススキを見るともう季節は秋なのだと実感させられる。
そう言えば、今年はお月さまは見れるだろうか?
去年は雨で見れなかったが今年は見れたらいいなと思いながら太一は再び歩き始めた。
END
脳裏を覗く
人の脳裏は様々だ。
何を考えてるのか、何を思っているのかは様々である。
そんな人の脳裏を覗いてみたいと時々思うことがあるがそれは難しいだろう。
覗くには、それ相当の研究や何かの装置で覗くしかないのかもしれない。
いや、そもそもただの思いつきでそこまでする必要はない。
それに人が脳裏の中で何を考えてるのかを簡単にわかっては面白くないのではないかと私は思っている。