最初の友達
私は生まれてからと言うもの、友達という存在がいなかった。
もしかしたら近寄り難い雰囲気でもしていたのかもしれない。
そんな私に友達が出来た。
名前はみみ。
私の生まれて初めての友達だ。
清楚系美少女といった容姿で皆が彼女に釘付けになるほど。
そんな彼女が何故、私と友達になってくれたのか分からない。
けれど、私は彼女と一緒にいるととっても楽しいと思う。
なんと言うか心が安らぐ気がする。
まぁ、本人に打ち明ける気はないのだけど。
それから1年、彼女は転校することになった。
どうやら、親の転勤が決まったらしい。
私は彼女と別れの日まで、一緒にカラオケに行ったり、ゲーセンでプリクラなどを撮った。
彼女……みみとの思い出を作るために。
そして、みみの引越しの日に私は熱を出した。
こんな日に限って、私は運悪く体調を崩してしまう。
(もう……会えないのかな)
私は布団の中でぼんやりとそう考えているとスマホの着信音が鳴った。
誰からだろう?と確認すると、みみからだ。
彼女からメッセージが送られていた。
『また、会いましょう』と。
そのメッセージを目にした私は一粒の雫をスマホの画面に落としてしまった。
END
11/13/2024, 12:26:07 PM