〜いろんなお話〜

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6/26/2025, 4:45:37 PM

【最後の声】

「行ってきまーす」

『行ってらっしゃい』

それが、息子との最後の会話だった。

信号無視の車との衝突だった。

私にはどうしようもない死因だけど

家を出る時間を少しでもずらしていれば…と

自分を責め立てる日々。

ああ、息子に寂しい思いをさせちゃった。

ごめんね、お母さんを許して欲しい。

そんな死んだ母のお話。

6/25/2025, 12:03:57 PM

【小さな愛】

私は気づいてる、君がいつもしてくれてる事。

1つの肉まんを2人で分けるとき

ちょっと大きい方を私にくれる事。

エスカレーターに乗るとき

私の後ろに必ず立ってくれる事。

ショッピングモールを歩いているとき

私が欲しいなって呟いた物をこそっとメモしてる事。

元気がないとき

何も言わずにアイスを目の前に置いてくれる事。

そんな小さな愛が、

私の気持ちをこんなに大きくしたんだなって。

そんな事を感じる女のお話。

6/24/2025, 4:09:00 PM

【空はこんなにも】

「疲れた…まじ顧問のやつ、話なげえっつーの」

『ほんとそれな。おかげで俺らが鍵閉め当番やし』

「まじ部室あっちーな」

『それなーコンビニ行ってなんか食おーぜ』

「じゃん負けでアイス奢りな」

『えーぞ。ハーゲンダッツ奢らしたるわ」

「上等」

そんな事を話しながら俺達は部室の扉を開けた。

「うっわ、眩し、空あっか」

「え、今何時?」

『えっとーあと10分ぐらいで7時』

「えー7時やのにこんな明るいんや」

『まぁもう夏やけんなー、早いもんやな』

そんな部活帰りのお話。


6/23/2025, 12:08:30 PM

【子供の頃の夢】

「あれ、もうこんな時期なんだ」

3割引の惣菜を片手に、俺は足を止めた。

会社の帰り、スーパーの中でふと目に止まった笹。

そこには沢山の短冊が吊るされていた。

[健康で元気に過ごせますように]

[彼氏とずっと仲良く出来ますように]

[大学受かりますように]

そんな願い事の中、

[ゆにこーんにのりたい]

そんな可愛い短冊に、ふふっと口元が緩む。

せっかくだし俺も書いてみるか。

そう思い、ペンを手に取ったが思い浮かばない。

ありきたりな願いばかりで、独創性もクソも無い。

これが、大人になるってことなのか。

そんな事を感じた男のお話。

6/22/2025, 2:24:22 PM

【どこにも行かないで】★

私のこと、好きなんでしょ?

じゃあなんで離れてくの。

貴方からアプローチしてきて、

私をその気にさせて、好きにさせて。

私には貴方しか居ないのに。

そうやって今回も勝手に決めて。

私を好きにさせたんなら、

最後までちゃんと好きでいて…隣にいてよ…。

そんな一方的なお話。

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