【記憶の地図】
「ここをみぎにまがって」
「つぎはここをひだりでしょ?」
「あとはまーっすぐいったら…」
「ほら!ここぼくのおうち!」
『わぁー!おうちおっきいね!!』
「でしょ?」
「ぼくにあいたくなったら、いつでもきてね!」
『わかった!!ありがとう!!』
幼少期の頃の記憶を頼りに、
15年ぶりに君の家を探す。
幼稚園を卒園してから、会っていない君。
でも何故かずっと頭から離れない君。
もう、声すら覚えているか曖昧だけど
君なら私だって、分かってくれる。
そんなお話。
【マグカップ】★
今日は2人でデートする日。
ちょうど記念日だった事もあり、
お互いプレゼントを用意して向かった。
甘党な彼に、私は手作りのケーキを。
彼から貰ったのは、私の好きなキャラのマグカップ。
使うのがもったいなくて、
最初は、人形を入れて飾った。
次は、ペン立てに。
そして今は、スープや飲み物を入れて。
ガラス製だから、主に使うのは冬かな?
家族にも使われたくないから
自分の部屋にいつも置いてる。
私だけのプレゼント。
そんなお話。
【もしも君が】★
もしも君が、「もう好きじゃない」って言ってくれたら
この関係に終止符を打てるんだろうか。
言っとくけど私は
君が引くぐらい、一途なんだよ。
私から振るなんて、側から出来っこないの。
だからさ、
こんなダラダラ関係続けるのが君にとって嫌なら
振ってくれてもいいんだよ。
その時は、
私が君の事を大嫌いって感じるまで悪口言ってね。
怖いけど。
そんなお話。
【君だけのメロディ】
「〜〜〜♪」
『…好きだね、その曲』
「うん。リズム感が好きなんだ〜」
「〜〜〜〜♪」
『…なんかあった?』
「〜〜……」
「…顔に出てた?」
『うん』
嘘だ。君の顔は笑顔そのものだ。
君の気分は、いつも歌う曲のトーンで分かる。
今日はいつもより声色が落ち着いていた。
これは、僕だから分かる特権。
君の歌声は、誰にも聞かせない。
そんなお話。
【I love】★
私の愛は、きっと一方通行。
貴方からは、返ってこない。
「忙しい」と返事が来てから、
自分から連絡ができない日々。
『落ち着いたら、また連絡して欲しい』
そう返して、2週間が過ぎた。
今貴方は、誰と何処で何をしているんだろうか。
勉強は、頑張れているのだろうか。
私が居なくても、幸せなんだろうか。
きっと好きなのは私だけだと、
いっその事別れてしまおうと、考えた日が山ほどある。
でも、
「愛してる」の貴方の言葉を、信じたかった。
そんな人のお話。