〜いろんなお話〜

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6/11/2025, 3:07:42 PM

【雨音に包まれて】

「あー、もう6月やもんなー」

『梅雨来たな』

「ややなー」

私は湿気でクルクルになった髪をとかす。

「せっかくアイロンで真っ直ぐにしたのに…」

『さすが天パ』

「うっさ」

少し濡れた靴下が、余計に不快感を与えてくる。

『ちょ、制服で水たまりん中、飛び込んでみたくね?』

「…あんた何言ってんの」

『えー、うちらJKだよ?死のこの言わずにさ!』

「あ!ちょ…!!」

友達に引っ張られ、大雨の中飛び出す。

『あははは!つめてー!!』

「お前ほんまにバカやって!!」

『えーー!?なんて!?聞こえなーーーい!!』

雨音がうるさくて、声がよく聞こえない。

けどなんか、笑えてくる。

そんな雨の日のお話。

6/10/2025, 2:32:49 PM

【美しい】

「いいなぁ…」

私は今日も教室の隅からあの子を見ている。

美人で、性格も良くて、頭も良い。

休み時間になれば、男女問わず皆んなが寄ってくる。

窓の外を見ながら呟く。

「私も綺麗になりたい」

『変わらなくて良いと思うけど』

「ひゃ!!」

変な声が出てしまった。

え、あの子が私に、話かけてきた、

「か、変わらなくて…って」

『最近、私とよく目が合うでしょう?』

『その時いつも思うの』

『貴方の目や髪の色、

 光に当たってとっても綺麗だなって』

誰しもが誰かに憧れている。

そんなお話。

6/9/2025, 11:27:20 AM

【どうしてこの世界は】

私の世界は暗闇が広がっている。

人間としての機能で使えるのは

聴覚、触覚、味覚、嗅覚。

私は目が見えない。

この事を聞いた人は、皆口を揃えて

「可哀想」と言う。

この事を聞いた人は、皆揃って

「助けになるから」と言う。

私は普通の人より可哀想な存在らしい。

普通の人に助けてもらわなきゃ何も出来ないみたい。

そんな自己暗示を他人から擦り込まれる日々。

この世界は私にとって、

あまりにも窮屈だった。

そんな思いを持つ子のお話。

6/8/2025, 2:09:34 PM

【君と歩いた道】★

放課後、用事があった私を

彼はいつも教室で待ってくれていた。

電車があるからそろそろ帰ろう。と、

皆んなが荷物を持ち始める中

「もうちょっとだけ居たい」

彼は私にだけそう呟く。

結局教室に2人だけ残って、

7.8時ぐらいまで沢山話して、

暗い線路沿いの道を、手を繋いで歩く。

寒い日はポケットの中で繋いだり、

誰も見えないところでキスをしたり。

この道は思い出が多すぎて

当分1人では歩けないなぁ。

そんなあの頃に戻りたい子のお話。

6/7/2025, 10:38:18 AM

【夢見る少女のように】

大人になったら、おっきいお城に住む!

可愛いピンクのお部屋にして、

可愛いワンピースいっぱい着て、

可愛いわんちゃんと一緒に暮らす!

朝ごはんは毎日パンケーキ食べて、

お外で本読んだり、

あ、髪の毛クルクルにしてお姫様みたいにする!

その為に今から伸ばしておかないとなぁ

ママとパパが許してくれるかわからないけど…

いいなぁ

僕もこの絵本のお姫様みたいに、可愛くなれたらな。

そんな少年のお話。

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