〜いろんなお話〜

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6/6/2025, 1:53:56 PM

【さあ行こう】

「さぁ!僕の手を取って!」

『ダメよ!落ちて怪我しちゃうわ』

「大丈夫!僕を信じて!」

『うぅ………』

『……えい!!!』

少女は少年の手を掴み、勢いよく窓から飛び降りた。

少女の身体は、重力を無視し空中に浮いた。

「ほら、僕の言った通りだろ?」

少年は明るく微笑み、少女は優しく笑った。

2人は風の様に、滑らかに飛んだ。

子供の2人なら、

きっと何処へだって、飛んでいけるだろう。

そんな2人のお話。

6/5/2025, 10:36:54 AM

【水たまりに映る空】

「あ、やっと晴れた」

私は刺していた傘を閉じる。

「よかった、お花濡れちゃダメになっちゃうもんね」

今私は友達の居る病院にお見舞いに行く途中だ。

「…確かこの館の7階だったよね」

高く聳え立つ建物を見上げる。

ぴちゃ、ぴちゃ、

水たまりを踏みながら歩く。

ふと、水たまりの反射した世界に目を奪われた。

そこには空中に浮かぶ空が映っていた。

「え」

私の戸惑いを覆い被すように

ドシャッと鈍い音が前の方で聞こえた。

そんな空くんのお話。

6/4/2025, 2:24:45 PM

【恋か、愛か、それとも】★

一つ目は、些細な恋心。

ちょっとしたことでドキドキしちゃって、

貴方とならなんでも初めてで。

二つ目は、平穏な愛心。

恋が芽生えて、愛が育って。

貴方の気持ちが落ち着いて、それがなんだか寂しくて。

三つ目は、孤独な冷心。

どっちが悪いとかじゃなく、

ただ貴方の生活に私が居る必要性を感じなくて。

「そんなことないよ」って貴方は言うけど、

行動がそれを示してくれなくて。

そんな三つの心のお話。

6/3/2025, 1:25:26 PM

【約束だよ】★

「面白がって別れるって言わないでよ」

「前も言ったよね、これで3回目だよ」

『まあね』

まあねってなんだよ。

大学に進学してから、貴方変わっちゃったね。

忙しいを理由に貴方から連絡してくれないし、

私から連絡してもそっけないし、

嘘ついて未読、既読無視されるし、

お疲れ様って最後に言ってくれたの1ヶ月も前だし。

どれだけ辛い思いしても、

貴方との思い出が邪魔をして、区切りがつけられない。

貴方はきっと、新生活で忙しくて

私の事に手がつけられていないだけ。

大丈夫。嫌われてない、冷められてない。大丈夫。

愛してるって言ってくれたんだもの。

そんな依存症な私のお話。

6/2/2025, 1:38:07 PM

【傘の中の秘密】

「…あー。俺、君のことそういう目で見れないんだ」

「だからその…ごめんね」

そう言って貴方は立ち去った。

外の門で友達を待たせてる。

荷物を持って、私も学校を出る。

『あ、帰ってきた!』

『…ど、うだった…?』

[ん?…あー、振られたよ?]

[一方的すぎてびっくりしちゃった笑]

『…そっか』

日傘をバサッと勢いよく広げる。

『珍しいね、普段日傘刺さないのに』

[最近日焼け対策頑張ってるの!]

必死に声を張る。

日傘、持っててよかった。

そんないつもより傘を低く持つ私のお話。


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