お題『物語の始まり』
いつだって、物語が始まる時、どきどきする。
これから始まるのが悲劇か、喜劇か。それとも、全く違う別の何かが始まるのか。どきどきと逸る鼓動を抑えて、幕が上がり始めた足元の光を、見つめる。
怖いね。
でも、楽しみだ。
お題「静かな情熱」
心の奥底に小さく伏せた思いがあるか?
きっと、何人たりとも、君にはなり得ない。
君は君だけの情熱の熱がある。色がある。
どんなに静かでも、君だけのものが。
お題『遠くの声』
意識がゆらゆらしている。
海に揺らめいたことは無いが、無理に想像するなら、そんな感じの。
揺蕩う水面の中で、くぐもった音が聞こえた。
誰だろう、僕を呼んでるのは。
…そもそも、僕のことを呼んでいるのか。
もしかしたら、もっと、違う音なのではないか。呼ぶ声なのではなくて、こちらに来るな、とか。
沈没船が軋む音、とか。僕の知りえない、生き物の会話、とか。
声、な気がしているが。所詮それは音。言葉に聞こえるだけの、音かもしれない。
お題『春恋』
私は正直、春恋ってなんだ。と思った。私はこのお題の意味を知らない時、調べてから書き出すようにしている。
私はこの2文字の読み方を知らない。
「はるこい」なのか「はるごい」なのか、「しゅんれん」なのか、「はるこいし(い)」なのか。
春は恋の季節なんだろうか。恋の色に近いとは思う。あたたかくて、可愛らしくて、どこかせつない。
私はてんで人間同士の恋愛というものに関しての造詣がない。
物へ対しての恋なら何度もある。
例えば、私はミルクティーに恋をしている。冷え性の私へ、朝に温かいものを飲めと両親が淹れてくれたものがミルクティーだったのだ。
驚いた。ここまで暖かくてまろやかで飲みやすい飲み物があるのかと仰天したものだ。
例えば、花。曾祖母や祖母が好きだと言っていたため、庭にいつも花が咲いていた。その花を、登校前に見たり、帰宅した時に見ると、いつもほっとしてしまっていた。それから、花がないと私は落ち着かなくなってしまった。
なんとまあ幼稚なものだろうと思った。物へ恋の感情を向けると、楽だ。気持ちに振り回されずに済むし、なんなら、自分の手元から離れないものだってある。だからどうにも安心してしまう。
私にとって、恋は春だけでは無い。
お題『未来図』
明日がどうなるかなんて一切分からない未来を、一緒に考えよう。
明日、急に人類に羽が生えたら?
そっくりの星がやってきて、君そっくりの誰かがいたら。
ねえ、どうしよう。
明日が楽しみだね。