ツユクサ

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3/29/2025, 10:08:48 AM

お題『涙』

ぽとり、とそれは落ちた。雨とはまた違う寂しさを添えて。

これから悲しみがやってくる。
傘をお持ちください。
ございませんでしたら、お手元の私の手を握ってください。
降り止むまでとは言わず、あなたの顔が晴れても、そばに居ます。

3/28/2025, 1:49:42 PM

お題『小さな幸せ』

それは花が咲くこと。

それは鳥が飛び回ること。

それは風が頬を撫でること。

それは月が満ちること。

それは、あなたがそれを感じることができること。

3/27/2025, 10:53:27 AM

お題『春爛漫』

春の風に急かされて、桜がゆらりと頭をもたげ、挨拶をした。

たくさんの桜が、各々不揃いに。
時折、挨拶がわりに桃色のやさしい吹雪を舞わせながら、暖かなスポットライトを浴びて。

初めまして。また来ました。よろしくお願いします。そんな一日。
あなたの心に、春が満面の咲みを浮かべて、やって来る。

3/26/2025, 11:52:47 AM

お題『七色』

人はひとつの光だけでは満足出来ない。色が変わることが、面白いと感じる感性がある。
変化することは怖いことじゃない。変わらない事も、拘るものではない。
変化を恐れないで。でも、変わらない事も、恐れなくていい。君が君らしくあるために必要なら、それは紛れもなく怖いことじゃないのだから。

3/25/2025, 10:25:52 AM

お題『記憶』

うっすらと遠い昔。曾祖母と歩いた道。

彼女のことが、大好きだった。
でも、私が大きくなるにつれて、彼女は小さくなった。

とうとう、彼女は私が分からなくなった。

私は、彼女の横たわる病室で、泣きそうになるのをこらえた。
泣けなかった。
知らない人が来て病室で泣かれたら、きっと驚いてしまうから。
本人の方がきっと泣きたい。

先に泣く訳にはいかなくて、「はじめまして。」と笑顔で挨拶した。
喉がヒリヒリして辛かった。

私と彼女の思い出は全て、私の記憶の中にしかほとんど残っていないのだと理解した。

もう、あの日の二人の思い出は共有できない。
私の頭の中で、ゆっくり風化していく。

たまに彼女の好きな花を見ると、ふと思い出す。
彼女の背の低さを。彼女の声を。顔を。
あと何度、私は思い出せるのだろう。

記憶が、本のページが日に焼けるように、セピア色になるのが、怖い。悲しい。

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