お題『bye bye…』
時には、お別れだって私たちには大切だ。
どれだけ私には大切でも、共にいることが苦痛になってしまう時もある。
もちろん、逆も然り。
だからバイバイだって、大切な挨拶だ。
お題『君と見た景色』
あの頃一番近かった、ブランコから見た空。
とめどなく溢れた鼻水や涙を拭い、ぐしゃぐしゃになって重くなった袖。
しゃがんで見つめた、お気に入りの靴とアリの巣の出入口。
少し風の強いなか、視界にチラつく黒い線と「入学式」の看板。
縦書きで、独特な字がつらつらと書かれた、目が滑る先生の黒板の文字。
お題『手を繋いで』
私と手を繋ぎましょう。
ほら、一緒に行きましょう。
そして、星と星を繋いで、遊びましょう。
星の粒がきらめく海に手を浸して、
木の船から身を乗り出して
消えない傷を作りましょう。
手を繋いだ、ふたりだけで。
お題『どこ?』
──どこ?
……今、隣から、聞こえてはいけない言葉が聞こえた気がした。
いや、これが、一緒に来て手探りの旅をこいつとしているなら、仕方ねえよな、となるのだが。
「……案内役やるって言ったのお前だろ。」
「たはは。いけると思ったんだけどな。」
呑気にそう笑う友人。お前の身ぐるみ剥いでここに置き去りにして、迷わせてやろうか、路頭に。
「お前が分からなくなったらおしまいだろ。お前の地元だよね!?」
「三ヶ月居たよ。」
「お前よくそれで地元とか言えたね!?」
もう地元の人に謝れよ。
思わず本当に頭を抱えてしまった。それなのに、隣のこいつは「あはは」と笑っている。
「まあまあ、ね、のんびり行こうぜ。迷うのも楽しいじゃん。時間決まってる訳じゃないでしょ?」
「まあ、そうだけどさあ…こう、不安になるって言うか…。」
「大丈夫!」
根拠の無い大丈夫に、ため息をついた。しかし、どこが心にぽっと、灯るものもあって。
「何が大丈夫なんだかな…。」
そう言いつつ、肩を並べて、整備されていない砂利道を歩いた。
お題『大好き』
あなたが大好き。
あなたがどんなに綺麗でも、醜くても。
何が好きでも、嫌いでも。
何をされると嬉しくても、悲しくても。
どんな過去があろうとも。
私をどう思っても、世界があなたをどう思っても、
きっと私はあなたに大好きと伝える。
だって、「私は」あなたが好きだから。
そこに誰かなんていらない。
大好きよ、