Clock

Open App
10/17/2022, 11:31:12 AM

〜忘れたくても忘れられない〜

「おはよう」
そう言って隣で笑ってくれた君はもう居ない。
あの時助けられなかった。
僕は彼のことを突き放してしまった。
その日から続く《悪夢》が頭から離れない

朝起きてすぐ顔を洗う。
鏡を除く僕の顔は酷くなっていた。
夢の中で泣き崩れぐちゃぐちゃになった顔と寝不足で目の下にクマができていた。
あぁ…彼がいないと僕は…何にもできないのか
自分の無力さが憎らしく感じた。
席に座り朝ごはんを作る。
彼がよく朝ごはんを作ってくれていた。
自分の作る朝ごはんと違いよく出来ていて、すごく美味しかった。
あ…失敗した、焦がしちゃった…

すいません…はい、はい…明日は出勤しますので…申し訳ありません…はい
電話から聞こえる上司の怒鳴り声。
こんなに休暇を取れば確かにここまで怒り狂うのは仕方ないだろう。
でも、それでもこの傷は癒えない
どれだけ休んでも沢山仕事をして気を紛らわせても何も現状は変わらなかった。
僕の体はどんどん悪くなるだけだった。
う…ぐぅ…げほっ、ごふっ……
今日食べたはずの朝ごはん。
ほとんど消化されることなく吐き出された。
気持ち悪い…薬…2階にあったはず……
重い体を動かして、僕は2階へと重くなった足を運ぶ。

あれ……僕ここの窓いつ開けたんだ……!?
ふわりと香る懐かしい匂い。
懐かしくとても悲しい思い出がよみがえってくる。
「ほら、起きて、大丈夫かい?」
この声は……?
ふわりと頭を撫でられ、まぶたを閉じる。
暗闇の中に意識が放り込まれる

「ミヤ生きるんだよ」
僕はあの言葉を今でも忘れられない

10/16/2022, 11:23:07 AM

〜やわらかな光〜

ふと目覚める。
眩い光が目に入ってくるから、私は思わず手で覆い隠した。
暖かい……
辺りを見回すとキレイな白樺の森が広がっていた。葉の隙間から射す光はキラキラと輝いていてとても綺麗だった。
でも、ここはどこなのだろう。こんな景色見たことがない。
あれ…私って誰だっけ…
場所も分からない、そして自分が誰なのかも分からなくてただただ白樺の森を歩き回ることしか出来なかった。

ゆっくりと歩く。周りを見回し息を吸う。
凄くきれいな空気…
私の歩いたところは草花が咲いていた。まるで道標みたいで少し面白かった。
その草花からシロツメクサを少しだけ摘み花かんむりを作る。
あれ…なんでこれの作り方は覚えてるんだろう…
そんなことを思いながらまた歩き出す。
サクサクと草を踏んで歩く音が聞こえてきた。
びっくりして振り返ると黄緑っぽい色をした大きな鹿が着いてきていた。
その他にも、兎やリス、フクロウなどの動物さんが私の背中をグイグイと押したり引っ張たりして先に進ませる。
す、凄くフワフワ……

動物さんに囲まれながら少し歩いていると、大きな光が見えた。
なんだろう…少し不安……
動物さんはその光の前に行こうとしない。ただ私のことを押して来るだけ。
わっ……!
とんっと背中を押され私はその暖かい光に包まれた。誰が私のことを……え…?

「……!」
「…………!」
誰かが私のことを呼ぶ声が聞こえる。
そして私の手を握ってなく声も、泣かないでと早く言ってあげないといけない。
すうっと目を開くと見知らぬ天井があった。
「○○さんが目を覚ましました!」
とバタバタ走る看護師さん。
私の手を握ってずっと泣いている弟と姉。
ここは病院……?
私は理解するのに少しだけ遅れてしまった。
あとから話を聞くと、私は事故に巻き込まれてしまったらしい。
一緒にいた幼なじみの男の子と共に
男の子はどうなったのかと尋ねると
「貴方を庇って…病院に運ばれる前からもう意識不明の重体で、このまま目を覚ますか分からない生死の境に…」
後ろではお母さんが私の肩を抱いて泣いていた。
私はその幼なじみの子のことはほとんど覚えていない。
それなのに、涙が止まらなかった
「延命手術はしましたがもう長くないかと……」
そう言われ私は幼なじみの元に案内される

そこで私は息を呑んだ
あれ…この人…
その病院のベットで横になり酸素マスクを付けられ延命手術を終えたばかりの男の子は
私の事を押した…あの…人…

10/16/2022, 5:02:05 AM

ジクリと痛む体を抱えながら歩く。

夜の遊歩道。
ここには誰もいない。
幼い頃に自殺事故が多発した遊歩道では夜中になると
自殺した人の怨念が徘徊するという。
俺は好奇心から夜の丑三つ時その遊歩道へ向かった。
歩いてる人はおらず時折車が2・3台通るくらいだった。
携帯の充電は満タン。
非常時のために小型のサバイバルナイフを持ってきた。
街灯が少ないこの道は薄暗かった。
「お兄さん」
ふと、後ろからお婆さんの声がした。
振り返ると人は居らず背筋が凍るような感覚。
誰もいないのに、誰が俺の事を…
考えるだけで恐ろしかった

はぁ、はぁっと息を荒らげながら走って遊歩道に向かう。
「ねぇ、お兄ちゃん」
はっと振り返ると小さな女の子が熊の人形を抱えてたっていた。だが顔はよく見えない、遊歩道には電気がほとんどついてないため、すごく暗い。
「お兄ちゃん、何しに来たの」
この声に俺はゾッとした。
"2人目"…な、なんで2人目…いつの間に
「ねぇねぇ」
「何してんの」
遊歩道の上にはいつの間にかたくさんの子供たちがいた。視線は俺の事ばかり見ている。
足にしがみつくもの、被さってくるもの、服を引っ張ってくるもの、ついには包丁を持った血まみれのものまでいた。
ひっ…
喉から息を引く音が聞こえる。
その少年はこちらにゆっくりゆっくりと歩いてくる。
「ねぇ…お兄ちゃん。僕らにその体…ちょうだい」
そう言って子供たちは俺に襲いかかってきた。

はっと目覚めると俺はベットの上で汗まみれになっていた。
季節は秋の下旬
ここまで汗でびっちょりになるような事はほとんどない季節。きっとあの夢で冷や汗をかいたんだろう
いつも通りに会社に向かう。その途中たくさんの人が心配そうにこちらを見ている。話しかけてくる人もいた。
「大丈夫ですか?」と
なんでだろ、別に大丈夫なんだけど何を心配してるんだ?
自分の体をよく見ると、昨日の夜少年が持っていた《それ》が俺の腹に刺さっていた。
気づくと酷く痛む
叫びたいのに叫べないだから俺は