#54　自由律


この世界は、いくら旅しても物足りない。


　　　　　　　　　　　お題：この世界は

　#53「どうしてだろう」


どうしてだろう。君の求めている答えは既にわかっているはずなのに、それとは別のことを、君にしてしまう。

君が一人になりたい時、私は声を聞きたいと思って、その肌に触れる。
君が失敗に落ち込んでいる時、私はそれとは逆に明るく、無責任に励ます。
君がきっともう別れたい時、私はしつこく「嫌だ」とだけ喚く。

君の求めている答えは既にわかっているのに。


　　　　　　　　　　　　　　　　　お題：どうして

　#52「夢見心地」


今日、夢に君が出てきた。
君に久しぶりに会ったから、記憶の君と重ねてみた。
夢の中の君は、あの頃とちっとも変わらないままで、屈託もなく笑っていた。君に、ずっと触れていたいと思えた。この夢をずっと見ていたいと。
もう夢の中でしか君には会えないから、夢よ、どうか醒めないでと確かに願った。願ったけど、
それは無駄だったようだ。

朝起きると、枕が少し、濡れていた。


　　　　　　　　　　　　　　　お題：夢を見てたい

　#51「このまま」


憧れが、ずっと憧れのままでした。
夢が、ずっと夢のままでした。

そんな僕は、ずっと変われないままでした。


　　　　　　　　　　お題：ずっとこのまま

　#50　自由律


身に染む寒さを耐え切った先には、
きっと蕾が咲くわ。


　　　　　お題：寒さが身に染みて