#49「二十年生きてきたが」


二十年生きてきたが、未だ信頼できる人がいない。
二十年生きてきたが、未だ本当の愛をしていない。
二十年生きてきたが、未だ暇の潰し方を知らない。
二十年生きてきたが、未だ世界平和を見ていない。
二十年生きてきたが、未だ幸せが何かわからない。
二十年生きてきたが、未だ自分が誰かわからない。
二十年生きてきたが、未だ大人には成れていない。
二十年生きてきても、結局は何一つと得ていない。


みんな、なんでそうも長生きを求めるのだろうか。
二十年生きてきたが、未だその答えがわからない。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　お題：20歳

　#48「三日月さん」


いいよね、三日月さんは。
ただぽつりと浮いて、そのまま満ちるだけなんだか
ら。私は夜に浮かぶ三日月を見て放った。

この時の私はまだ何も分かっていない。
三日月は、いつかは欠けてゆくことを。
月は常に、独りだということを。


　　　　　　　　　　　　　　　　　お題：三日月

　#47「それぞれ」


絵の具をイメージしてみよう。それぞれの色にそれぞれの良さがあって、それぞれ使いづらい一面も持ち合わせている。色は、同じような、似たような色を好むらしい。例えば赤色は、赤色に近い桃色や橙色と仲が良いし、青色は、紺色や水色と相性がいい。
反対に、色は、自分と対極にある色を嫌うらしい。例えば赤色は、緑色が嫌いだから、彼と混ざるとどうも濁ってしまう。
その好きと嫌いは、それぞれの色に、それぞれに存在する。それぞれの色に、それぞれ。


　　　　　　　　　　　　　　　　お題：色とりどり

　#46「雪が降ったら」


今日はかなり吹雪いていた。耳が凍りそう。

毎年何メートルも積もるような、北国の人たちからしたら、ただただ鬱陶しいだけなんだろうけど、この辺だと雪というのは少しばかり珍しいもので、「雪が降った」それだけで、少し嬉しい気持ちになったり。
僕は、せっかくの雪なんだから、「あー、また雪じゃん、めんどくせ、」より、「あ、雪だ。冬だなぁ。」と思いたい派です。
雪ではしゃげる地域に生まれてよかったなぁと思う雪のある日。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お題：雪

　#45「呼吸」


君と一緒にいる時間が僕の幸せだ。
僕の時間と、君の時間を同じくして、人生の一時を重ねて、二人で生きるべく息を紡ぎ合う。

まるで、水槽の中。


　　　　　　　　　　　　　　　　お題：君と一緒に