名無し

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8/12/2024, 12:26:51 PM

君の奏でる音楽は、私に安らぎを与え、時には感動をもらい、そして優しく寄り添ってくれる。

私にとって貴方は、何物にも代えがたい一番星なんだ。

たとえその光の強さのあまり目が眩んだとしても尚、私は貴方のメロディーを、歌声を、輝きを欲するだろう。

私の奏でる音楽は、醜く、時には私を救い、落ち着かせ、そして激しく焦りを覚える。

星が眩しければ眩しいほど、夜空の暗闇は深くなるばかりだ。

私は星空の存在を知っているが、星々は私の存在など知る由もない。

君の奏でる音楽は、私を救う讃歌であると共に、私を地獄へと誘う焦燥曲だ。




8/10/2024, 11:30:07 AM

終点……すなわち終わりの点、だろう
それは当たり前のことか。

彼は生き急いでいるかの如く、忙しなく走る電車を見て、ふと思った。

ガタン、ガタン─ガタン、ガタン─

この電車たちも終点へ向かっている。そしていずれ着き、また廻っていくのだ。

そんな喧騒も落ち着き、終電を迎えた頃。無人駅は心地よい静寂に包まれていた。

「…………………」

彼の瞳の中に、暗闇の中の銀の棒が映る。

夜明けを希望の象徴と捉えた先人は、何を思っていたのだろうか。
夜が終点で朝は出発点、になるのか。

こんな沈みこんだ出発点があってたまるか。
いや、思い込みだな。

─もうじきに、夜は明けてしまうだろう。