マーマレード

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7/26/2024, 3:53:27 AM

小さい頃、家にインコがいた。
幼いながらわたしは、この子を外へ出してあげたい、大空に解き放ちたいと思っていた。
インコは結局、あの部屋の中で、あの鳥籠の中で一生を迎えた。

今の私は社会人となり、会社と自宅を往復し、地下鉄に揺られる日々を送っている。
ふと思うのは、私は自由なのか、ということだ。
自由とはなんなのか、どこかに行けることなのか、何にも縛られないことなのか、何かを決められる権利を持つことか。私にはまだ、自由というものはわからない。きっと、死を目の前にしている老人でさえもわからない。

社会という鳥籠に、日本という鳥籠に、人生という鳥籠にそして、自由という鳥籠に私は囚われているのかもしれない。

鳥籠は悪いことだけではない、そこには慢心的な安全が満ちている。心を落ち着かせることができる。
狭い世界は自分の存在を少し大きくしてくれる。

それなのに、私は自由に囚われている。安心に囚われている。つまり、私にとってはどこでも鳥籠の中なのだ。そこは狭く、不自由だか、安心とある種の自由があるのだ。きっと死ぬまで私は何かの中で囚われている。

7/23/2024, 6:33:25 PM

雪が土を湿らせる。
柔らかな土と日差しが君を温める。
まだ、ちいさく幼い君は己の殻を破るため力を込めて、もがいている。
硬い殻を破ったとて、すぐには現れない。
時間をかけてふたつの葉を開かせる。
君は、日を追う事に殻を破った努力が、自らの成長への1歩だと実感するだろう。
沢山食べて、沢山飲んで、沢山息をする。瑞々しい体を空へ伸ばす。
初めの葉を養分にしてまだまだ伸び続ける。
子供から大人になる季節、君もまた、大人になる。
大きく、可憐な花を惜しげも無く咲かせる。
朝露に濡れる花は、可愛く、美しく、妖艶な輝きを持ってみつばちを呼び寄せる。
みつはちとの協力が実を結ぶと、新たな生命を誕生させる準備を完了させる。
君が枯れてしまっても、君の子は君と同じように、元気に育つだろう。

生物の目的、次世代へのバトンタッチができたのは、君が魅力的な花を咲かせることができたからだ。
それは、君の小さい、けれど大きなきっかけからだということを忘れてはいけない。