ひぐらし

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1/22/2024, 10:06:59 AM

♯タイムマシーン

タイムマシーンがあったら、どうしようか。



あ、昔に戻ってみたいかも。義理の父とも再婚もしていない。弟もいない、母親と二人きりで、詫びしさはありつつも、二人で幸せだねと言い合って暮らしていたあの時に。



何処からか、寂しさがあった。母親も、弟に付きっきり、私の事なんて目もくれないだろうに。それでも、いい姉を演じる。いい娘を演じる。それでいつからか、辛さが入り交じる。




まだ娘、姉なんてまだ未熟、それなのにどこからどこまで頑張ればいいってのさ。頑張ってるよ?自分のメーターで。



耐えてるよ。自分の力がある分だけ。母親は、溜息をつきながら煙草を吸う。私はそれを傍から見つめて、考えた。




過去に戻っても、いいことなんてないのかも。




いいや。将来は、母のようにタバコの煙で肺を汚し、昔のように甘え上手に生き、心が壊れるその時まで。




「過去に戻れるタイムマシーンがあればなぁ。」

12/7/2023, 4:24:13 PM

#部屋の片隅で

部屋の片隅で、私はよく泣くことがあった。それは悲しいことがあったから、とか、辛いから、とかではなく。


ただただ今の気持ちの整理とか、そんなことで心がいっぱいいっぱいになって、それが溢れるように泣いていたのだ。



何がいいとか、何が悪いとか、そんなの今の自分にはよく分からない。子供のように、嗚咽を漏らして、声を上げて、母親に泣きつくことはもうできない。


それでも、声を出したくても押し殺し、嗚咽を漏らしそうになっても手で塞ぎ、涙は母の優しい手のひらで拭ってもらわずに、自身の手首の袖で拭うことしか出来ない。


子供の頃は、遊んでいたリビングの真ん中で、道路の片隅で、寂しくては泣き、転んでは泣き、母に縋っていた幼少期。



だが、今の自分は、あんなに泣きついていた母にバレないように、気づかれないように、誰にも見つからないように、部屋の片隅で泣くしかないのだった。

透明なシミと赤いシミは、部屋の片隅で静かに時が過ぎるのを待つばかり。

12/5/2023, 4:10:44 PM

#眠れないほど

将来のことを考える度、不安と興奮がある。


なりたいものになれた時、将来の夢など。なれなかったとしても、こんな家庭を持っている、結婚生活。などなどがあるかもしれない。



だが、そんな生活を送る前に、果たして自分はどうなっているのか。たった一年で変われた自分、変われなかった自分。


様々な自分という人間がいた訳で、その中で意志を持った自分が果たして将来どうなっているのか。



職業なんか身につけずに親のスネかじって生きてるか。それとも、歯を食いしばって生きて金を稼ぐか、



そんなことを考えてるうちは眠れないほどにバカバカしく思える。

ただ、ここまで卑下してきたが。ただ息を吸って、ただ美味しいものだけ食べて、ただ心を満たして、生きてるだけでいい。今の社会は、そんなことを馬鹿だと言ってくるかもしれない。だが、私が言えること。



生きてるだけでえらいのではないか。

12/3/2023, 2:58:41 AM

親からの期待。それはものすごく重く、辛く、暗い。だってその期待に添えないの暴言と暴力が飛んでくる。なんで、こんな辛いの?


口の中に滲む鉄の味。熱を帯びる頬の痛み。必死に目を伏せて泣くまいと耐える。こんな私に何ができると言うんだ。



でもあるとき。


「それどうしたん?」


崩れた口調、気だるげな言い方。でもその中に興味と不安そうな意味が籠った言葉。


「別に。なんでもない」


痛い。親に殴られた。そんな言葉を隠しての自分の一言。なんて馬鹿なんだ。話したこともない男子に、必死に自分を隠してそういうなんて。


彼は、ジーッと私を見つめるだけ。そんな時、ついに呆れたのか、興味を失ったのか私に背を向け出して歩き出す。


また心が重くなる。助けて欲しかったのかもしれない。強がりな自分が心底嫌だった。



「おい。」

急に彼は振り向き、私に手招きした。

「そんなんじゃ痛いままだろ。保健室行くぞ」

「ぇ、でも」

「強がんな。早く行くぞ」



荒い口調。でも私を保健室に連れて行ってくれて、頬のことを心配してくれた。それがいつか。


「あなたにこの子の何がわかるって言うの!!子供が」

「お母さんがコイツを見てきた時間は、俺には敵わないと思います。でも、こいつが辛い時、泣きたいと思った時、助けを求めた時、俺がこいつの手を取ってやりたいんです!!それは俺にしかできないと思います……」



母親からの束縛と暴力と暴言。



暗く冷たい鳥籠の中で閉じ込められていた私は、彼という名の光に包まれていた。やっと耐えていた涙が頬を伝う。



彼は、私には敵わなかった母親を言い負かし、私の手を握って外に連れ出してくれた。そこで初めて抱きしめてくれた。


「俺が……お前を何があっても守り続ける。絶対だ。」



やっと私は……暗闇から、光に包まれたのか。