♯13
私は物欲がない方だ。あまりものに執着がなく、「これが絶対に欲しい!」というものが中々ない。だから何かを買い与えられても、申し訳ないが、大切にするのが難しい。自分が本気で何かを欲しがった経験がないので、「どうしても○○が欲しくて店を何件もハシゴした。」という人の事があまり理解できない。しかし、兄はそんな私とは真逆で、色々なものを欲しがる。そして、買ってもらったら必ず大切にする。親は「お金がかかって仕方がない」と言うが、私はそんなに物に興味をもてることが羨ましい。「何もいらない」という言葉は、自分の適当さを表しているようで、私はあまり好きではない。
(テーマ:何もいらない/コンルリ)
#12
「1つだけ」と聞くと、教科書に載っていた「一輪の花」
を思い出す。初めて読む、戦時中を舞台にした話。今では、「1個ちょうだい」なんて簡単に言えるけれど、時代によってはその1個でさえ贅沢だったりするということを学んだ。みんなあの話は印象的だったのか、一時期はおにぎりを「おじぎり」とみんなで呼んでいた。『一つだけちょうだい。おじぎり、一つだけちょうだい。』話にでてきた女の子の言葉は何故かいつまでも覚えている。
(テーマ:1つだけ/コンルリ)
#11
今年のエイプリルフールは友人の嘘に協力した。その友人は、いわゆるネッ友というもので(以下、Aとする)、とあるSNSを通じて仲良くなった。私たちの共通のネッ友(以下、Bとする)に嘘をつこうということで、協力した。嘘の内容は、「Aが、私たち3人の知り合ったきっかけであり、唯一のつながりであるSNSをやめようと思っている」というものだ。Bは綺麗に騙された。それからBはその場で思いついたAの嘘に全て引っかかり、きっとBは一人暮らしとかできないタイプだな、私は笑いを堪えながら思った。
(テーマ:エイプリルフール/コンルリ)
#10
『最高のハッピーエンドだ!』
先輩が書いた台本を読んだ時、初めに思ったのはこれだった。私はこの台本で何かを演じる予定はなかったが、演者の1人が風邪をひいてしまったため、急遽私が出ることになった。大会2週間前に言われたものでかなり驚いたが、大会まで時間もないので急ピッチでなんとか仕上げた。幸い、出られなくなった子のセリフの確認を手伝っていたので、ある程度セリフは頭に入っていた。中々イメージしずらい役だったが、先輩方の助けもあり、様になってきた。そうやって迎えた大会当日。ものすごく緊張した。観客席を見れば固まってしまうのではないかと思うほど、全身に感じる視線。それでもなんとか自分の役を演じ切り、結果発表。県大会には進めなかったが、賞には入れた。これも、ハッピーエンド?
(テーマ:ハッピーエンド/コンルリ)
#9
見つめられると、ドキッとする。
「私何かしたかな…」「顔になんかついてる?」「相手に何か変化があったのかな」など…この場合のドキッとは、恋の予感とか考えている余裕など私には無いので、本当につまらない女である。私は良くも悪くも、あまり人(自分も含めて)に興味が無いので、「察する」というのが中々できない。「見られてるなぁ」と思いつつその理由をあれこれと考えるが、それがさっぱり分からない。相手の髪型などに変化があったとしても多分気づけないだろうし、自分に何かがあったとしてもそれもまた気づくのはかなり難しいだろう。ここまで長々と書いたが、要するに、
『直接言って欲しい。』これに尽きる。自分で考えてもわかるわけのないことについて悩むなんて言うものすごく無駄で不安な時間を過ごしてしまう。
最悪の場合眠れない。宿題もできない。ワガママだな〜と思いつつそんなことを考えていると、母からの視線を感じる。流石にこれは察せるよ。宿題しなきゃ。
(テーマ:見つめられると/コンルリ)