あの日の景色
ねぇ、君は覚えてる?
一緒にコート整備した日
廊下で声をかけてくれた日
私のテストの点数聞いてきて「意外とバカ?」っていじってきた日
全部私にとっては宝物で、忘れたくないもの
なんで話せなくなったんだろう
私のせいか…
またあの日のように話せる日が来ることを願ってる
雨の香り、涙の跡
どうしたらいい?
君になんて言って謝ればいい?
分からない。
君の気持ちが知りたい。
「無視してごめん」
って言ったら君は許してくれる?
こんな私を、最低な私を許してくれる?
こんなことを考えながら昇降口に行くと雨の匂いがした。
(雨降ってるじゃん…)
今の私の気持ちのようにどんよりした空。
君のことを考えれば考えるほどあの日にしてしまったことを後悔してる。
今にも涙が出てきそう。
自業自得なのに。
自分のせいなのに。
避けられてるかもって考えるだけで、胸が苦しい。
こんなに君のこと好きだったんだね。
「ごめん…」
ポツリと呟いた声は雨の音で誰にも聞こえない。
雨のおかげで涙が隠せる。
また、前のように話したいけど、もう無理な気がする。
戻りたい。過去に。
戻ってそのときの自分に言いたい。
「変な駆け引きすると、とんでもないことになるよ。嫌われるよ。」って
謝りたいのに、勇気が出ない。
もし別のことで私を嫌っていたら?
それはそれで気まずすぎるし、謝ったからといってもとに戻れるとも限らない。
私はどうすればいい?
ねぇ、誰か助けて。
涙がボロボロとこぼれ落ちる。
でも、雨にかき消されてしまう。
明日こそは…。
そう思いながら雨の中を歩いていく。
これで最後
これで最後。
そう決めたのに、結局話してしまった。
無理だなあ。
廊下では目、合わせてくれなかったのに。
部活では何度も合うのなんで?
ねぇ、せっかく諦めようと決めたのに。
どうしてくれんの、私の気持ち。
そっと包み込んで
君の優しさに包まれたその瞬間に、
「好きだ」
と思ってしまった。
おさえてた気持ちが溢れそうになる。
言いたいけど言えない。
君は私の気持ちを知らない。
そのくせ、私に関わろうとする。
私をこれ以上惑わせないで。
苦しみたくないから。
どうしても…
どうしても嫌いになれないの
どうしても諦めきれないの
君が笑うから
私に話しかけてくるから
目を合わせてくるから
だから、
どうしても君を諦められない
好きになっちゃダメな人
でも、好きになったのは君のせいだよ