『ルール』
ルールとは、信頼の上で成り立っている。
「パパの言いたい事が分かるかい?」
「つまり、アタシが戸棚のお菓子を全部食べちゃっても、罰則は無いってことね!!」
「……はぁ」
○○○
後日。
「ううう……なんでアタシがこんな目に合うのよぉ!!」
「パパの言うことを聞かずに、お菓子は一日一個までのルールを無視して、たくさん食べたからだろう?」
「ううう……パパ、ごめんなさい」
「いいよ。次からはルールをちゃんと守ってね。ほら、歯医者さんに行こうか」
——ルールとは、信頼の上で成り立っている。
だが、そもそもルールとは“愛”なのかもしれない。
おわり
『今日の心模様』
今日の心の模様は、牛柄。
良いことがあり、悪いこともある。そんな複雑な気持ち。
○○○
彼女に浮気された。
しかも相手は親友だと思っていた男だ。
めちゃくちゃ、精神的に参った。
俺は、夜中の公園でコンビニで買ったカップ酒を、ヤケクソのように飲んで酔っ払っていた。どうにでもなれ。と。
そんなとき、声を掛けられた。
「あれ……もしかして? 君は、同じ中学校の……?」
中学で一緒のクラスだった初恋の人。
その人は、クラスのマドンナをそのまま成長させたみたいな清純派美女になっていて、俺は自分を恥ずかしく思った。
思わず泣き出した俺の話を、彼女は真剣に聞いてくれて……。
——気づいたら、翌朝。同じベッドの上で、彼女は俺の恋人になっていたのだ。
何を言っているのか分からないと思う。だが、俺も正直分からない。
「今日から私たち、恋人だね。よろしく」
「あっはい」
○○○
人生、良い事もあれば、悪いこともある。
しかし、こんな急展開に牛柄みたいなことあるのだろうか。
少なくとも、今の俺の心模様は牛柄である。
おわり
『たとえ間違いだったとしても』
たとえ間違いだったとしても、私は私の主張を貫き通す。
誰に馬鹿にされようとも、誰に信じられなくても構わない。
いいか? “グンマー”に雨は降らない。降るのは槍だ。降らせるのは、血の雨だ。
——そんな装備で大丈夫か??
おわり
『雫』
雫が垂れている。
鍾乳石から垂れるように、下の岩へと垂れている。
雨垂れ石を穿つ、とは言うが。
……こんなに苦労なく、努力無く、安易に時間が過ぎ行くだけで、何かを成せてしまうなら。
——努力とは、無意味なのだろうか?
生まれた土地、生まれる家族、育つ環境、生まれ持った能力。そんなものは自分では選べない。
分かっていたとしても、理解していたとしても。
受け入れられない現実がある。
「私の努力は、無意味だったか……」
私の頬から、雫が滑り落ちた。
……いつか、私の涙も石を穿つのだろうか。
おわり
『何もいらない』
何もいらない。
金も土地も、命さえも——あなたが生きてくれたら。
おわり