〔行かないでと、願ったのに〕
ずっと一緒にいよう。
そう言ってくれたのに、
どうしてあなたは離れていくの。
約束を守ってくれないの。
「別れよう」
あなたの口が動く。
私の口から音が出ることはなかった。
あなたがドアに手をかける。
私は焦った、だから近くにあったナニカを持ってあなたに振りかざす。
あなたは倒れた、気を失ってる?
あははっ、私から離れようとするから悪いのよ。
これからはずっと一緒。
誰にも渡さないよ。
〔終わらない問い〕
優しい人ってどんな人ですか。
自分の嬉しいことを言ってくれる人ですか。
否定しない人ですか。
都合の悪いことを言わない人ですか。
強い人ってどんな人ですか。
泣かない人ですか。
傷つかない人ですか。
自分より他人を助ける人ですか。
あなたは何を見て人を判断するんですか。
見た目ですか。
話し方ですか。
表情ですか。
何を考えても答えが出ない。
一見出たように思えてもそれについてもう少し深く考えればその答えも間違っている気がしてくる。
わからない、なにもわからない
〔無人島に行くならば〕
無人島に一つだけ持っていけるとすれば何を持ってく?
そんなありきたりな質問を君からされた。
僕は少し考えてロープと答えた。
君はつまらなそうに「ありきたりだね」なんて笑った。
本当に持っていきたいものなんて言えるわけがない。
僕は無人島に持っていくならものではないが君がいい。
ロープだって限界が来たら君と海に溺れに行くためだ。
君とはぐれたら困るからね。
そんな事を言ったら君は離れていくでしょ?
僕は君から離れるつもりなんてないけどね。
君は僕の、僕だけの運命の人なんだから。
〔予感〕
僕の感はよく当たる。
いいことが起こる予感がすればいいことが起こる。
なんていい予感がしたから散歩に行って財布を拾っただけなのにお礼にお金を貰えた。
そんないいことを思い出しながらごろごろする。
今すごく嫌な予感がした。
おかしい、ここまでの嫌な予感初めてだ。
何が起こるかすごく不安だ、怖い。
家の火は確認した。鍵も閉めたからそこの心配はない。
そこで僕は、はっとした。あの子は?
家のことじゃないならあの子だ。そんな予感がした。
考えるより早く体が動いた。
チャイムを押しても誰も出ない、どうしよう。
「すみません」と声をかけながら恐る恐るドアを開ける。
靴が少ない。あの子しかいない。
あの子は部屋にいるはず、急がないと。
あの子の部屋のドアを開けるとあの子が首にロープをかけて無表情で揺れていた。
どうして、
〔砂時計の音〕
君と逃げる日々、君は楽しそうに笑う。
今まで鬼に捕まりそうになっても逃げてきた。
でも今回は違う。鬼がすぐそこまで来てる。
「今回は逃げられないかな〜」なんて君は笑う。
捕まったらまた地獄に戻ることになるのに。
気付いたら君はナイフを持っていた。
僕はその瞬間、君がしようとしてることを察した。
「待って、いやだ、僕と生きるって」
言いかけた瞬間僕の口を君の唇で塞がれた。
それと同時に僕は君に刺された。
なんで、、?
君のおなかが赤くなってる。
「一緒に生きれないなら、一緒に死のうよ」
その言葉で僕たちがこの醜い世界から消えるまでの砂時計が落ち始めた