〔寂しくて〕
あなたが私を見てくれないのが寂しくて
あなたが私以外を視界にいれるのが許せなくて
あなたが私とお話しをしてくれないのが寂しくて
あなたが私以外と会話を交わすのが許せなくて
私、意外と嫉妬深いの。
それを知ってたのにあんなことしたのね。
ならあなたが全部悪いの。
私は何も悪くないもの。
こうなったのもぜーんぶあなたのせい。
絶対許さないからね
〔キンモクセイ〕
この季節になるとキンモクセイの匂いがする。
キンモクセイの匂いであの子を思い出す。
もう声も顔も笑い方も僕の胸から遠く離れてしまったのにあの子との思い出だけが僕の胸から離れていってくれない
〔行かないでと、願ったのに〕
ずっと一緒にいよう。
そう言ってくれたのに、
どうしてあなたは離れていくの。
約束を守ってくれないの。
「別れよう」
あなたの口が動く。
私の口から音が出ることはなかった。
あなたがドアに手をかける。
私は焦った、だから近くにあったナニカを持ってあなたに振りかざす。
あなたは倒れた、気を失ってる?
あははっ、私から離れようとするから悪いのよ。
これからはずっと一緒。
誰にも渡さないよ。
〔終わらない問い〕
優しい人ってどんな人ですか。
自分の嬉しいことを言ってくれる人ですか。
否定しない人ですか。
都合の悪いことを言わない人ですか。
強い人ってどんな人ですか。
泣かない人ですか。
傷つかない人ですか。
自分より他人を助ける人ですか。
あなたは何を見て人を判断するんですか。
見た目ですか。
話し方ですか。
表情ですか。
何を考えても答えが出ない。
一見出たように思えてもそれについてもう少し深く考えればその答えも間違っている気がしてくる。
わからない、なにもわからない
〔無人島に行くならば〕
無人島に一つだけ持っていけるとすれば何を持ってく?
そんなありきたりな質問を君からされた。
僕は少し考えてロープと答えた。
君はつまらなそうに「ありきたりだね」なんて笑った。
本当に持っていきたいものなんて言えるわけがない。
僕は無人島に持っていくならものではないが君がいい。
ロープだって限界が来たら君と海に溺れに行くためだ。
君とはぐれたら困るからね。
そんな事を言ったら君は離れていくでしょ?
僕は君から離れるつもりなんてないけどね。
君は僕の、僕だけの運命の人なんだから。