I love
ずっと憧れの君。
皆の真ん中で、
いつも笑ってる君。
君の様になりたくて。
君の隣に立ちたくて。
俺は必死に藻掻いてきたけど。
輝く世界に向かう君は、
余りに直向きで。
未来に進む君の背は、
遠ざかるばかり。
君には、明るい世界が、
よく似合う。
でも、日陰に住む俺には、
君は眩し過ぎて。
君を、追い掛けても、
きっと、追い付けない。
俺の足に絡み付く、
重く、真っ黒な感情の鎖。
揺れ動く、君への想い。
好きだから憎くて。
触れたいのに逃げてしまう。
左右に振れ続ける、
振り子のような、心。
ずっとずっと。
I like ……。
でも、永遠に伝えられない、
I love ……。
雨音に包まれて
貴方には、ずっと、
忘れられない人がいて。
私にも、ずっと、
忘れられない人がいて。
欠けた心を持つ二人。
痛みを忘れたくて、
偽りと知りながらも、
お互いの温もりを求め合うには、
充分過ぎるほど、孤独でした。
私に愛を語る時も、
私に口付ける時も、
私を抱く時さえ、
貴方のその悲しげな瞳は、
過去を見ているのでしょう。
貴方は、私の耳元に、
甘く囁きます。
でも、私は、
それが偽りの愛だと、
分かっていながら、
優しく微笑み返すのです。
目を閉じて、
貴方の温もりに溺れます。
あの人を失って、欠けた心を、
貴方の偽りの愛で、
埋めようとするなんて、
私はなんと浅はかなのでしょう。
貴方の腕は優しい、
でも、知らない温もり。
瞼の裏から離れない、
誰よりも愛した、愛しい人。
懐かしい、その面影。
今夜だけは、せめて、
雨音に包まれて、
愛しい人との想い出の海に、
揺蕩い、眠りたいのです。
だから、お願いです。
私達が眠りに就くまで、
静かで優しい雨が、
大地に降り注ぎますように。
きっと、優しい雨音が、
私の、そして、貴方の、
孤独に震え続ける心を、
慰めてくれる筈ですから。
美しい
(ごめんなさい。
なにも思いつきませんでした…。
思いついたら書きます)
どうしてこの世界は
どうしてこの世界は、
こんなにも醜いのでしょう?
親の愛を得られず、捨てられ、
他人は蔑む視線を向けるだけ。
街の片隅の暗がりにさえ、
居場所はありませんでした。
それでも、貴方は。
偽物の煌びやかさを纏った、
残酷な社会の外で、
塵屑に埋もれた私に、
手を差し伸べてくれました。
ですが、貴方もまた、
社会に絶望し、他人に傷付けられ、
そんな闇の中で、
僅かな希望を探して、
藻掻いていたのですね。
どうしてこの世界は、
こんなにも残酷なのでしょう?
人間の差別の目は、
規格から外れた私達に、
石を投げつけ、
隠れる場所を奪い、
社会から排除するのです。
価値のない人間は、
人として生きる事さえ赦されず、
路傍に転がる小石の如く、
無視され、蹴り飛ばされ、
そして、風雨に晒されます。
それでも。
貴方の優しい笑顔と、
温かい手があるから、
私は私でいられたのです。
どうしてこの世界は、
こんなにも脆いのでしょう?
私も貴方も、
心も身体も傷だらけで。
それでも、貴方は、
闇の中にいる私の、
唯一の光だったのです。
貴方がいるから、
私は生きていられます。
貴方は私の希望。
貴方は私の安らぎ。
…貴方は私の全て。
だから。
貴方の鼓動も温もりも、
最期の呼吸までも奪い取り、
私のものにします。
身体も心も魂も、
私と一つとなりましょう。
どうしてこの世界は、
こんなに美しいのでしょう?
貴方がいて、私がいる。
他には、何もなく、
…ただ、それだけ。
君と歩いた道
幼い頃から、
まるで兄弟の様に、
共に育ってきた、
誰よりも、大切な君。
とても優しくて、
でも、泣き虫で。
そんな君の小さな手を、
幼い俺は、そっと握った。
大きくなるにつれて、
俺にとっては、君は、
特別な存在になったけれど、
君にとっては、俺は、
兄の様な存在のままだったんだ。
お互いに、大人になって。
君が、俺の手を離して、
君の道を歩き出しても、
俺は、兄の仮面を外せないまま、
君の背を見詰めてる。
君と歩いた道から、
遠くに見えるあの山並みは、
あの頃と何も変わらないのに。
俺の隣に、君は居なくて。
刺すような胸の痛みを、
溜息で誤魔化す。
君と歩いた道が、
静かな夕日に照らされる。
悲しい程に赤く染められた道に、
残される、独りぼっちの影。
俺は独り、
想い出の中の君の、
小さな手の温もりを求めて、
空っぽの手を、握り締める。