霜月 朔(創作)

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9/21/2024, 6:15:15 PM

秋恋



少しだけ、涼しくなった風が、
庭に咲いている、
秋桜の花を、
そよそよと揺らす。

薄紅色の秋桜。
可憐で何処か華奢な、
その姿に、秋を想う。

夏が終わり、
秋がやってくる。
秋の空。秋恋。
行き場を失った、私の恋心。

花言葉に私の想いを託して、
忘れられない、想い出の彼に、
黒い秋桜を贈ろうかな。

黒い秋桜の花言葉は…。
『移り変わらぬ気持ち』

例え貴方が、
私を忘れてしまっても、
私はまだ…。
貴方を、愛してるんだ。

9/20/2024, 7:04:11 PM

大事にしたい



私は、生きる為に、
罪を重ねてきました。

しかし恐らく、人は私を、
罪人とは呼ばないでしょう。
誰しも生きる為に、
牛や豚、鶏や魚、そして植物等。
様々な生命を、喰らっていながら、
それを罪とは言わない様に。

ですが。
私の手は、血に塗れ、
私の魂は、穢れています。

こんな私が。
貴方に惹かれてしまったのです。
どんなに不遇な環境でも、
どんなに他人に虐められても、
太陽の様に輝く魂を失わない、
そんな貴方に。

こんな汚れきった私が、
貴方に触れる事は、
赦されない事は、
分かっている心算です。

ですから。
私の願いは、一つ。
貴方の美しい魂を、
大事にしたい。
只、それだけです。

9/19/2024, 5:32:34 PM

時間よ止まれ


夜の帳が降りて、
皆が寝静まる時間。
それは、私と貴方が
仮初めの恋人になる、
魔法が掛かる時。

貴方は私に、
優しく微笑んで、
愛の言葉を紡ぐから。
私は貴方に、
そっと口付けて、
愛の言葉を返すんだ。

愛しい貴方が、
今は、私の腕の中にいる。
だけど。
時間よ止まれ、と、
私がどんなに願っても。
それは叶わぬ夢。

貴方は、夜明けと共に、
私の元から去り、
独りきりの部屋に戻って、
何時戻るとも知れない、
貴方の本当の恋人の、
帰りを待つのだろう。

貴方が居なくなった部屋で。
私は、独りきり。
貴方が残した僅かな温もりを、
そっと抱いて、眠ろう。

9/18/2024, 5:34:11 PM

夜景


静かな夜。
街の外れの高台から、
街を眺めます。

普段は、何処も彼処も汚くて、
醜い人間の欲望渦巻く、
私の住む街も、
今だけは美しく見えます。

夜景が綺麗なのは、
人々が灯す灯りが、
あるからだと思うよ。

何度、他人に傷付けられても、
人間という存在を、
信じ続けている貴方は、
夜景にさえ、人間の営みを、
感じるのでしょう。

嫌なものを全て隠す、
宵闇と家々の灯りが、
美しくて哀しくて。

私は、涙を隠して、
そっと貴方に寄り添います。
こんな不完全な私を、
そっと抱き寄せて下さった、
貴方の温もりが、
眼の前の夜景を、
より美しいものに、
変えてくれました。

また、貴方と二人で、
美しい夜景を眺めたいです。
今度は、何処か遠い旅先の、
夜景を眺めるのも、
悪くないですよね。

9/17/2024, 5:06:35 PM

花畑



俺は、向日葵畑が、
好きだった。

真夏の真っ青な空の元、
鮮やかな黄色が、
まるで小さな太陽の様に、
元気に輝いている。
そんな、花畑。

向日葵畑は、
未だ家族が側に居た頃の、
幸せだった想い出の欠片だ。

しかし。
家族を失ってからは、
俺には、花畑に行く気力なんて、
何処にも無かった。

だけど。
お前と出逢って、
漸く、思い出したんだ。
真夏の花畑。
向日葵の美しさを。

今度。
一緒に、向日葵畑に行かないか?
そして。出来たら、
お前の好きな、花が咲く花畑に、
俺を、連れて行ってくれないか?

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