霜月 朔(創作)

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9/17/2024, 5:06:35 PM

花畑



俺は、向日葵畑が、
好きだった。

真夏の真っ青な空の元、
鮮やかな黄色が、
まるで小さな太陽の様に、
元気に輝いている。
そんな、花畑。

向日葵畑は、
未だ家族が側に居た頃の、
幸せだった想い出の欠片だ。

しかし。
家族を失ってからは、
俺には、花畑に行く気力なんて、
何処にも無かった。

だけど。
お前と出逢って、
漸く、思い出したんだ。
真夏の花畑。
向日葵の美しさを。

今度。
一緒に、向日葵畑に行かないか?
そして。出来たら、
お前の好きな、花が咲く花畑に、
俺を、連れて行ってくれないか?

9/16/2024, 3:55:54 PM

空が泣く


気が付いたら、
俺はたった一人だった。

この間迄、俺の隣で、
一緒に笑っていた友は、
今は、土の下で眠っている。

昨日迄、俺と一緒に、
戦っていた仲間は、
今日、この世を去った。

少し前迄、
俺は沢山の人に囲まれて、
在り来りな人生を、
歩んでいた筈なのに。

今は…独りぼっち。

心にぽっかり穴が空いた。
悲しいのに、
泣き喚く力さえ、
無くしてしまったみたいで。

重たい曇りから、
ポツリと、雨粒が落ちてきた。

空が泣く。
泣く事さえ出来ずにいる、
俺の代わりに、
泣いてくれて居るのだろうか…。

9/15/2024, 3:25:54 PM

君からのLINE


君からのLINEは、
仕事の話が大半。
偶に、友達として、
プライベートなメッセージが、
飛んでくることも有るけど、
それでも、飽く迄『友達』。

俺の気持ちなんて、
君には迷惑だろうから、
俺は君への恋心を、
心の奥底に沈め、
唯の友達として、
振る舞うんだ。

それでも。
君からLINEが来ると、
何時もドキドキしてしまう。

もしかしたら…って、
有り得ない事を、
考えてしまい、
慌てて、その妄想を打ち消す。

君からのLINE。
それは、何処か嬉しくて。
でも、ちょっぴり切ないんだ。

9/14/2024, 2:53:38 PM

命が燃え尽きるまで



オレなんて、
生きてたって、
何の意味も無い。

街を行き交う人は、
オレを見て見ぬ振りをする。
そんな、野良犬同然の、
最下層の存在。
それが、オレ達の様な、
存在なんだ。

だけど。
こんなオレを、
救ってくれた、
貴方が居た。

こんなオレだけど、
貴方の為なら、
命が燃え尽きるまで、
頑張れる気がするから。

あと少しだけ、
足掻いてみようかと、思う。

9/13/2024, 4:06:15 PM

夜明け前


なかなか寝付けない夜。
時計の針が、日付変更線を越え、
その後、短針が何度も回っても、
睡魔はまるで訪れない。

それでも、
規則正しく時を刻む、
時計の針の音が、
寝付けずにいる俺を、
責めているように感じる。

俺は、ベッドから抜け出した。
窓から外を眺めると、
空の端が僅かに紫掛かり、
もうすぐ夜が終わる事を、
そっと告げていた。

夜明け前。
皆は、夢の中の住人で。
今、この世界に、
俺はたった独りでいるような、
不思議な孤独感と、
美しい時間を独り占めしているような、
根拠の無い優越感を感じた。

いつの日にか、
夜明け前の、
この美しい時間を、
何時かお前と過ごしたい。

今はすやすやと眠りに就く、
お前の寝顔を想い、
俺は、夜明け前の空が、
明るくなっていく様を、
独り眺めていた。



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