心の灯火
貴方と初めて出会った、あの日。
私の心の灯火は、
既に消えていました。
親に捨てられ、
誰も助けてくれず、
私の精神は、
すっかり病んでいました。
それを貴方が、
救ってくれたのです。
人を信用出来ず、
警戒心だらけの私を、
貴方は根気強く、慰め、
私に、人の温かさを、
教えてくれました。
貴方に出会って、
私は初めて、
優しさを知りました。
愛を知りました。
そう。
貴方が、私の心の灯火を、
灯してくれたのです。
私の心の灯火は、
全て、貴方のもの。
だから。
ずっと私の側に、
居て下さいね。
開けないLINE
あいつと喧嘩して、
俺は家を飛び出した。
辛うじて、家から持って出た、
スマートフォン。
LINEのポップアップが表示される。
表示される名前は、
さっき、喧嘩したばかりの、
あいつの名前。
あいつからのメッセージが、
気にならないわけじゃない。
だが。
既読を付けたくなかった。
開けないLINE。
くだらない意地を張ってるだけだと、
頭では、分かっている。
だが。
あいつに負けるのは、
何だか、悔しかった。
また、LINEの通知、だ。
ポップアップに表示される、
メッセージの一部。
あいつが俺を心配してるのが、
伝わってくる。
それでも、開けないLINE。
喧嘩したばかりなのに、
あいつが、俺の事を、
心配してくれているのが、
何だか、嬉しくて。
あいつの好きな、
チョコレートケーキを買って、
家に帰ろう。
鳴り止まない、
あいつからのLINEの通知を見て、
…そう思った。
だが。もう少しだけ。
あいつが俺を、
心配してくれている、
この優越感に浸っていたいんだ。
不完全な僕
星空を眺めながら、
ボクは、大きな溜息を吐いた。
空に輝く星達は、
今夜も変わらずに、輝いているのに。
吸い込まれそうな夜空に、
宝石の様にキラキラと煌めく、
星達を見ていたら、
何だか急に、涙が溢れた。
何でボクは、生きてるんだろう。
こんなに辛い想いをして、
見苦しく足掻いて、
この世に獅噛み付いてる。
ボクは、何の才能もなくて。
精神的にも不安定で。
真面目に生きられない。
不完全なボク。
こんな、不完全なボクでも、
誰か愛してくれないかな…って。
叶わないだろう夢を、
夜空に輝く星達に、願うんだ。
何時か。
ボクだけの王子様が、
不完全なボクを、
救ってくれますように。
そして、その王子様が…。
『あいつ』だったら、
最高なのに、な。
香水
職場ですれ違う、
愛しい貴方。
他の皆に気付かれない様に、
視線を交わし、微笑みます。
ふと、香る、
貴方の愛用する香水の香りに、
私の胸は、痛くなります。
昨夜、貴方が、
私を抱き締めて下さった時も、
この香水の香りがしました。
私はそれが幸せでした。
優しい貴方の、甘い香り。
密やかな、私と貴方の、
蕩けそうな逢瀬を彩る、
貴方の香水の香りが、
私の胸を締め付けるのです。
そして、今夜も。
私は貴方の香りに包まれて、
幸せな時を、
過ごせるのでしょうか。
でも、その時は。
昔の恋人との思い出は、
全て忘れて、
私だけを見詰めて下さいね。
言葉はいらない、ただ・・・
ずっと、お前が好きだった。
多分、初めて会ったあの日から。
何時も、誰よりも優しくて、
心配になる程、お人好しで。
謙虚で控えめなのに、
芯はとても強くて。
俺には無い良い所を、
沢山持っている、
そんなお前は、
俺の憧れだった。
だけど、俺が、
お前への恋慕が隠し切れず、
お前を真っ直ぐに見詰めると、
お前は、顔を真っ赤に染めて、
何かを言おうとしては、口籠り、
結局、言葉を飲み込むんだ。
無理に言葉にしなくて、いい。
お前が、俺の気持ちを察した様に、
お前の気持ちは、
解っている心算だ。
だから。
言葉はいらない、ただ…。
これから先もずっと、
俺の側にいて欲しい。
そして何時か。
俺の気持ちに応えて欲しい。