霜月 朔(創作)

Open App

香水



職場ですれ違う、
愛しい貴方。
他の皆に気付かれない様に、
視線を交わし、微笑みます。

ふと、香る、
貴方の愛用する香水の香りに、
私の胸は、痛くなります。

昨夜、貴方が、
私を抱き締めて下さった時も、
この香水の香りがしました。
私はそれが幸せでした。

優しい貴方の、甘い香り。
密やかな、私と貴方の、
蕩けそうな逢瀬を彩る、
貴方の香水の香りが、
私の胸を締め付けるのです。

そして、今夜も。
私は貴方の香りに包まれて、
幸せな時を、
過ごせるのでしょうか。

でも、その時は。
昔の恋人との思い出は、
全て忘れて、
私だけを見詰めて下さいね。

8/30/2024, 6:15:51 PM