霜月 朔(創作)

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6/6/2024, 5:25:17 PM

最悪


気が付けば、毎日。
お前のせいで、ボクは、
『最悪!』って、言ってる。

掃除の手抜きをして、
お前に怒られて最悪!
廊下をバタバタ走って、
お前に説教されて最悪!
落ち着きが無いって、
お前に文句を言われて最悪!

毎日、毎日。
ホント嫌になる程、お前に向かって、
『最悪!』って言葉を、
連発してる。

だけど。
漸く気が付いたんだ。
…ホントに最悪なのは。
お前に向かって、
『最悪!』って、
言えないコトだって。

旅行だか、出張だか知らないけど、
早く帰って来いよ!
じゃないと、ボクは。
お前に向かって、
『最悪!』って言えない最悪の日を、
過ごさないといけないんだからな!

6/5/2024, 5:44:51 PM

誰にも言えない秘密



秘密なんて、
抱えれば、辛いだけで、
誰かに何かを隠そうとすれば、
知らず識らずの内に、
心は傷付くそうです。

ですが。
秘密という言葉に、
何処か、不思議な魅力を感じるのは、
私が、秘密を持つ事さえ赦されない、
まるで家畜同然の半生を、
過ごしてきたからかも知れません。

小さな秘密さえ、碌に持たない私に、
誰にも言えない秘密が出来た時。
私は、どんな想いを抱くのでしょう?

誰にも言えない秘密が、私に齎すもの。
それは、不安?焦燥?辛苦?
…それとも。
地獄への甘美な誘い、なのでしょうか。

6/4/2024, 5:33:01 PM

狭い部屋



窓もないこの狭い部屋で、
貴方は静かに、眠っています。

まるで、眠れる森の美女の様だと、
溜息混じりに独り言ちて。
私がそっと口付けたとて、
貴方が目覚める事は無く。

あれから。
悠遠の時が流れてしまったのか。
僅かな時しか経っていないのか。
それさえ解らなくなる程に、
私は、ただ。
目覚めぬ貴方だけを見詰めています。

貴方さえ居てくれるなら、
他には何も、要らないのです。
明るい陽の光も、
爽やかな風も、
色鮮やかな草花も、
手を差し伸べてくれる友達も。

そう。
貴方と二人きり。
この暗く狭い部屋の中だけが、
私の世界の全てなのです。

6/3/2024, 5:53:58 PM

失恋


誰かと付き合って、別れる。
そんな事は、何度も経験してる。
失恋なんて、そう珍しい事じゃない。

でも。私にとって失恋は、
世間が言う程、辛く無かったし、
苦しくも悲しくも無かった。
有るのは、ほんの僅かな喪失感。
それさえ、直ぐに消え失せる。

だけど。
今度は、違った。

君が私の隣から居なくなって。
何日経っても、喪失感は消えないし、
何だか胸が苦しくて、
溜息ばかり吐いてしまう。

一日中、君の事ばかり考えてしまい、
酷い後悔に苛まれ。
でも、どうしようも無かったのだ、と。
自分自身に強がりを言う。

そして。漸く、分かったんだ。
私は生まれて初めて、
本当の意味で、失恋したんだ、と。

6/2/2024, 5:28:12 PM

正直


正直者が馬鹿を見る。
そんな事、言われなくったって、
嫌って言う程、分かってる。
でも、オレは。
どんなに痛い目に合っても、
オレは、正直に生きていきたい。

こんな事。
青臭いガキの言う事だって、
きっと、お前も言うだろうけど。
オレは、人を騙す人間になる位なら、
人に騙される人間で居たい。

だけど。
正直に生きていたいと、
思ってはいても。
実は。
ずっとずっと、お前に、
正直に言えていない事が、
一つあるんだ。

もし、お前に面と向かって、
正直に、この気持ちを伝えたら、
お前は、何て答えるんだろう。

…お前が好きだ。
って。

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