霜月 朔(創作)

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3/26/2024, 2:10:15 PM

ないものねだり


あいつは、俺には無い才能を持っている。
後輩を叱る事しか出来ない俺と違って、
あいつは後輩を上手に褒めて、
やる気を出させる事が出来る。
何でも真っ直ぐ突き進んでしまう俺と違って、
あいつは周りをきちんと見ることが出来る。

ないものねだりだとは、解っている。
だが。それでも。
俺は、あいつが羨ましい。

こんな俺でも。何時か。
あいつの親友になれるだろうか?



彼は、俺には無い才能を持ってる。
後輩にいい顔ばかりしちゃう俺と違って、
彼は、後輩の隠れてる才能を見出して、
叱咤激励して、才能を伸ばす事が出来る。
周りの顔色ばかり窺ってしまう俺と違って、
彼は自分の信念を貫く事が出来る。

ないものねだりだって、解ってる。
でも。それでも。
俺は、彼が羨ましい。

こんな俺でも。何時か。
彼の親友になれるのかな?

3/25/2024, 2:18:27 PM

好きじゃないのに


知ってるよ。
お前は、ボクに同情してるだけだって事くらい。
お前が、友達が居ないボクを、
密かに見守ってくれるのも。
ボクが仕事でやらかしたミスを、
こっそりフォローしてくれてるのも。
全部全部…同情。

気付いてるよ。
お前が、ボクを哀れんでるだけだって事くらい。
ボクが母親に捨てられた子だったから。
ボクは愛を知らずに生きてきた人間だから。
ボクは陽の光の当たらない場所でしか、
生きていけない存在だから。
全部全部…憐憫。

どうせ、お前は、
こんな塵屑みたいなボクに親切にする事で、
優越感を覚えているだけだろ? 
ボクの事、好きじゃないのに、
優しくなんかするなよ!

だって。
そんなに、優しくされたら。
勘違いしちゃうじゃないか。
もしかしたら、ホントにボクの事を、
好きなんじゃないか、って。
辛いだけだから、夢を見させないでくれよ。
もしかしたら、ホントにボクと、
ずっと一緒に居てくれるんじゃないか、なんて。



3/24/2024, 2:33:10 PM

ところにより雨


お前はずっと俺の隣にいて。
一緒に美味いものを喰ったり、
一緒に楽しい事やったり、
一緒に辛い事を乗り越えたり、
いつでも『一緒』が普通だと思ってる。

そりゃ、文句が全く無い訳じゃない。
時々不機嫌になることもあるし。
偶に、喧嘩だってするし。
それでも。
俺達の絆は、揺るぎないものだと思ってるし、
俺はお前の一番の理解者だと思ってる。

だけど…。ふとした瞬間。
お前の心の中に、元彼との思い出が、
今も色鮮やかに残って居ることに気付かされると、
俺の心は俄に掻き曇り、雨模様になり…。
そして、大粒の雨粒が落ち始め、次第に大雨になる。
だけど、俺はそれに気付かない振りをする。
…ほら、晴れてるじゃないか。
雨なんか、何処にも降ってない、と。

俺の心は、
晴れ時々曇…ところにより雨。
でも、こんな時こそ俺は、
眩しい程の快晴の笑みを浮かべて見せるんだ。


3/23/2024, 12:48:26 PM

特別な存在


私にとって貴方はどんな存在か、と問われれば。
友人である…と答えるのが最適でしょうか。
知り合いという程、縁が遠くはなく。
親友という程、親しいとは言えない気がします。

ですが、私は…。
沢山の友人に囲まれ、その中心で笑う貴方を、
想いを隠し、素知らぬ顔をして、
密かに、憧れの眼差しで見ているのです。

そう。
私にとって、貴方は特別な存在。
ですが。
それを認める訳にはいかないのです。
他人に対しても。
貴方に対しても。
…自分に対しても。

だって。
悔し過ぎるじゃないですか。
貴方にとって私は、
数多く居る友人の1人に過ぎないのですから。

3/22/2024, 2:31:13 PM

バカみたい

君は皆の憧れの存在だった。
真面目で誠実、そして強くて優しい。
仕事が出来て、リーダーシップもある。
後輩から頼られ、先輩から一目置かれて。

そんな君に、俺は恋にも似た憧れを抱いていた。
君と友達になりたい。出来れば親友になりたい。
何時からか、そう願う様になっていた。

今は未だ、君にとって俺は、
何人も居る同僚の1人に過ぎないだろう。
でもいつか。
君の隣で、共に泣き、苦しみを乗り越え、
一緒に笑い合いたい。

不意に意識が、空想から現実に引き戻された。
溜息一つ。俺は、冷静に現実を直視する。
鏡に写る現実の俺は、何処にでもいる冴えない男。
バカみたい。
こんな俺が、君の友達なんかになれる訳がないのに。

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