霜月 朔(創作)

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バカみたい

君は皆の憧れの存在だった。
真面目で誠実、そして強くて優しい。
仕事が出来て、リーダーシップもある。
後輩から頼られ、先輩から一目置かれて。

そんな君に、俺は恋にも似た憧れを抱いていた。
君と友達になりたい。出来れば親友になりたい。
何時からか、そう願う様になっていた。

今は未だ、君にとって俺は、
何人も居る同僚の1人に過ぎないだろう。
でもいつか。
君の隣で、共に泣き、苦しみを乗り越え、
一緒に笑い合いたい。

不意に意識が、空想から現実に引き戻された。
溜息一つ。俺は、冷静に現実を直視する。
鏡に写る現実の俺は、何処にでもいる冴えない男。
バカみたい。
こんな俺が、君の友達なんかになれる訳がないのに。

3/22/2024, 2:31:13 PM