お題:風のいたずら
ふわり、ふわりと揺れるカーテン
微かに聞こえる歌声に
じっと耳を傾ける
祈りのようなその歌に
誘われるようにリズムを刻む
2人の影が交差して
間を隔てるカーテンが
うらめしいような
安心するような
不思議な時間
ひときわ大きく揺れたカーテンの
向こう側で微笑むあなたに
手を差し伸べる
もう少しだけこのままで、と
明け行く空に願いながら
お題:愛言葉
『贈り物に愛言葉を』
生を受けた時に
誰もが与えられる贈り物
それを知るための鍵となる
合言葉を教えて?
え、知らない?
いいえ、気づいているはず
いつかその意味に気づくはず
あなたが持つあなたのための愛言葉だから
お題:すれ違い
『鏡合わせ』
全てが正反対だった私たちは
どこで間違えてしまったのだろう
掟破りの常習犯だなんて
誰が言っていたのだったか
そうでもしなければ
出会うことも話すこともできないから
過去の約束を果たすために
"悪”になるしかなかったの
あなたは日の当たる場所で
私はあなたの影で生きていく
すれ違い続けて日々を紡ぎ
輪廻を繰り返す度に
「次は同じ場所で」と祈る
彼らが混じり合う未来への願いを
いつか神は聞き届けるのだろうか
お題:秋晴れ
『差し出した光の先へ』
変わらない、変われない
そんな日々を紡いでいた
変わりたい、でも怖い
そんな気持ちだけに苛まれた
周りは光を身にまとって
キラキラと輝いていた
下を向いて立ち止まって
動かないでいても時は過ぎる
段々と周りに追い越されて
光が遠ざかっていくようで
不安ばかりが募っていく
ふと目の前が暗くなって
あぁ、もう無理だって諦めた
でも、目の前に差し出された手を
取るかどうか悩んだりして
ああ、生きていたいのだと気づく
「一緒に行こう、ひとりじゃないよ」
「大丈夫、ここまでやってこれたんだからさ」
目の前の闇はいつの間にか開けていた
「行ってらっしゃい、あなたが望む未来へ」
お題:忘れたくても忘れられない
『いつかの影踏み』
子どもの頃のこと
いくつ覚えているだろう?
鬼ごっこもかくれんぼも
捕まらないでいることが得意だった
でも影踏みだけはいつも負け続ける
影は自分についてまわるから
自分の過去のようで苦手だった
それでもいつも思い出す
あの時、誰かが言ってくれた
「影は自分の過去に似ているけど
過去の努力は絶対に自分を裏切らない
影はもうひとつの自分
今までをきちんと生きて来た証」
『自分の影は自分の鏡』
あなたには忘れたくても忘れられない
そんな言の葉はありますか?