ルイ

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7/2/2025, 1:27:46 PM

お題:クリスタル

『透明だった僕らへ』

ただ澄んでいた
あの空のように

ただ待っていた
光輝く未来
未来なんて見えなくても
何とかなると思っていた

知らなかった僕らは
「社会」という怖さを

大人になった今
噛み合わない歯車の狭間
守りたいものはなんだ
自問自答を重ね
日々を繋ぐ

今の僕らから
過去の僕らのような君たちへ
光を見失わないよう
輝かんばかりの
言の葉という宝石を



輝いていたあの日も、今、抱える苦しみも、いつかは同じように輝く日々になると信じたい。

6/27/2025, 2:32:38 PM

お題:まだ見ぬ世界へ!

『明日へ』

街が眠る時間
静かに静寂を抜け出す

どこからか聞こえてくる
いつもなら騒がしいそれも
今はひとりじゃないと思える

向かうのはあの場所
約束を破ってしまわないように
心が折れそうな時はいつも
ここに来る

月が海面を照らす
ここに来れば落ち着ける気がする
寄せては返す波がまるで
あなたのようだと思う

ねぇもう少しだけ頑張ってみるよ
先は見えないけれど
この世界を信じて
明日を迎えてみたいから

6/26/2025, 1:55:04 PM

お題:最後の声

『思い出』

今はいない
かつていたものの話

人はいつしか
己を取り巻くものを畏怖し
それらは姿を見せなくなった
それでも確かに存在していて
今もたまに声が聞こえる

かつては見えたその姿も
今ではとても朧気で
知らぬ振りをする人が増えるほど
我らは姿を無くしてゆく、とそれは言った

どれほどの時が過ぎたのか
かつては聞こえたそれらの声も
もう私には聞こえない
でも、確かに覚えている
最後にそれは私に言った

「笑え、そして生を楽しめ」
「たとえ我らがいなくとも、そなたは自分で歩けるのだから」



拝啓、桜守の君へ。という久夫夕貴さんが書かれた小説から着想を得たものです。
機会があれば、ぜひ読んでみてください!

6/10/2025, 12:47:11 PM

お題:美しい

『蜜を持つ花を手折る』

ただ見惚れていた
その仕草に

洗練された所作であり
触れたら壊れそうな程に
脆い危うさを孕んでいる

「美しい」だけでは伝えられず
そっと手を引いて
社交場の喧騒の中を抜け出す

甘い香りを纏いながら
コロコロと笑うあなたを
秘密の場所へ連れ出そう

6/9/2025, 3:17:26 PM

お題:どうしてこの世界は

あまりにも儚く
とても愛しい
過ぎるのは一瞬
願うのは永遠

どうか夜のままで…と願う声を
聞こえない振りで
朝は来る

ねぇ、朝が来るよ
また新しい日々が始まる
まだ夜の中にいてもいい
必ず見つけられるから
自分が輝ける場所を

どうしたってこの世界は
狂おしいほどに
「生きたい」という想いで溢れている
それがこの世に生を受けた
遥か昔からの運命(さだめ)なのだから

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