3/8/2025, 5:12:32 PM
『秘密の場所』
自販機の前で白い息吐きながら缶コーヒーを飲んだこと。名前で呼んでもいいですかって言ったこと。つまらない飲み会から一緒に抜け出したこと。
全部が夜だった。
夜は二人の秘密の場所
ちょっとヤンチャで面倒くさい先輩に会いに行く理由も
あなたがいたからだった。
2/12/2025, 1:06:16 PM
「ねぇ、やっぱ俺にすれば?」
いつもみたいに冗談っぽく言うと「バカじゃん」って最高な笑顔で返された。左手の指輪と同じくらいキラッキラ。これからお前と結婚するヤツ、ヤクザの俺と大して変わらないような仕事してるけど大丈夫?
未来の記憶を覗けるならこんなデカい後悔することなかった。俺はこの夜のこと忘れられずに生きて行くのに、お前は。
『未来の記憶』
9/8/2024, 1:03:26 PM
さっき勧誘されていたところを助けてくれたお兄さんは背が高かった。肩につかないくらいの黒髪を揺らして、私の少し前を歩いていた。
トラブルに慣れている様な雰囲気とか、ちらっと見えた刺青からしてきっと違う世界を生きる人なんだろう。もう会うこともない。
たった数分間のやりとり。その時に見た笑顔が頭から消えなくて、胸の鼓動がうるさい。
『胸の鼓動』
7/15/2024, 4:30:49 PM
『終わりにしよう』
「また連絡して」そう届いたメッセージに返事を書く。「うん、わかった」とだけ書いて、最後には笑顔の絵文字をつけた。去年の夏の夜に始まって、ずるずると続けてきたこの関係に名前はない。
拗ねてる気持ちに気づいてほしいとか、もうそういう気持ちも無くなるくらい疲れきっていた。また会うみたいな言葉で、今日私は君との一年を終わらせる。
7/12/2024, 5:13:16 PM
『これまでずっと』
スマホをいじるふりして、友達の横で笑う君の顔をチラッと見る。ずっと自分の気持ちに蓋をしてきたけど、本当は「今日の服可愛いね」とかそういうセリフ言っちゃいたい。君はどんな顔するんだろ。