NoName

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7/3/2023, 1:25:58 AM

どうか
それを

だれかのたいおんのように
おもっていられますように

またあしたがきてしまった
だれかのぜつぼうではなく

7/1/2023, 3:16:38 PM

切手だとして
何処に貼ろう
宛先はどこだ

3階窓の風景
枠ごと剥がし
扉に貼った

左角、少し
背伸びして

7/1/2023, 6:12:16 AM

イヤマフで耳を塞いだ
人の声が怖かった

イヤホンで曲を流す
それもまた人の声だった

イヤホンの上にイヤマフをしてる
そうやってじゃないといまは守れない

心と
居場所を

転んで
立ち上がるための両手を
自由にする、には

6/30/2023, 1:02:16 PM

切れ味のいい鋏が欲しい
どこに繋いでいるかわからないから
取り敢えず小指から一本ずつ試すから!

そういって駆け込んできたのは
しとどに雨に降られたらしい女の子だった

指ごといきそうな、勢いで
カウンターの奥からタオルを取り出し
渡しがてら思案する

はて
ここは道具屋じゃないんだけどな

カウンターの後ろに並んでるのは
ざらっとした手触りの書籍の羅列

仕方ないなぁ
阿部貞は避けて
無難にあかずきん にしておくか

そう思ってパンと温めた葡萄酒も出し
オオカミヨウのハサミを書籍から抜き出した

悪縁は切れるんじゃないかな
獣の腹をざくざくやれるくらいだから

彼女はやった
思い切りいった

カラッポになった相手の空洞には
お決まり通り石ころを詰め込んできた、と
意気揚々と笑っていた

6/29/2023, 3:28:39 AM

絶望を一瞬だけ攫ってくれる青空
くっきりとした色になる季節に
いまこそ救われたいと思っている

耳を塞いでも塞いでも
誰かの何かばかりで

それ以外の晴れ渡る
たくさんを観たい

開いたばかりの ニ から
ぼたぼた溢れる 揺れる視界のまま

微かでいい
僅かでいい

口角を、上げろ

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