Rin

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3/12/2023, 9:30:36 AM


それはなにげない朝

窓からみえる青々とした緑
頬にあたる陽の光
読まれるのを待つ積読本
いつものチーズトースト
おはようと言う相手のいる朝

ぼんやりした脳内に
まぼろしのなような朝が流れる

いまには今の日常があり
今にはいまのしあわせがある

あらゆることを経験し尽くしたような
気もするし
全くなにも知らないような気もする

楽しく生ききるには長すぎて
生きるために生きる日々を思ってこわい。


#平穏な日常

3/9/2023, 3:43:36 AM


「また弱音ばっかりはいちゃうけどだいじょうぶ?」


「そのために俺がいるんでしょ?」


どうしてもっと早く

あなたのよさに気づかなかったのだろう

そのやさしさ ぬくもり 頼りがい

ぬくぬくと育っていく木のように

打出の小槌から溢れる小判のように

隣にいれば

しあわせが増えていく

喜びが何倍にもなる

そんな予感にふるえる

かけがえのないものでしょう?



#お金より大事なもの

2/17/2023, 9:25:25 AM


「ふつうのゆめ」

わたしの夢は
自分にしかできないことをする
ことだった

どんな職業の名前も
どんな肩書きも
みんな自分じゃなくてもいいこと
と思って手放した

なにも選ばなかった私
可能性だと思っていたことは
あまりにつかみどころがなく
不可能だと思うことがふえた

自分にしかできないことなんてひとつもない
すん、と希望のとびらがひとつずつ
ゆっくりと閉じていく音がした

だけれど同時に開かれたもの
すべてが自分にしかできないことなんだろう
ということ

いまここに存在して
目の前の人に少なからず影響を与え
過去があって今があって未来があるということ

誰よりもふつうでいい
私であることは誰にもできない


#誰よりも

2/14/2023, 12:05:27 PM

「2/14 おくった詩」

あなたを想って浮かぶのは
たとえば
きいろいバラ
考えるときする変なポーズ
あきれたようにふる首
つくつくした髪
健やか刻む心臓

赤いバラや
くっきりしたふたえや
ひっくり返るようなときめき
ではないけれど

隣に居てほしいとねがう
あったかい思いだと思う



#バレンタイン

2/14/2023, 3:53:04 AM

「燕」

さまざまな人が
来ては去り
来ては去って

唯一
そこに残り続けるもの
その強さ 寂しさ 揺らがなさ

カンカンカンと
鳴り響く金槌は
空間を揺らし
時を限りなく純なものに鍛える

次にあの音をきく時
職人たちはもういないかもしれない

花びらのようにクシャリとした手のしわ
見えない糸で結ばれたように澄んだ動き
きっと誰のこともあたたかく迎える眼差し
待っててくださいね


#待ってて

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