Rin

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1/19/2023, 2:25:03 PM

「こうじつ」

考えるとにやにやしてしまいます
あなたのこと

バイクの後ろに
乗せてもらったとき
背中から感じた心臓

海辺までペタペタ歩いた歩幅の違い

音楽に乗って同じリズムで揺らした体

不規則的でよめないLINE

ギターかき鳴らす姿

隣にいることにどぎまぎして
眠れなかった夜のこと

近くで暮らしていたら、
と思うこともあるけれど

この距離がないと
わたしはきっと
もっとくるしい

また今度そっちに遊びにいくんだよね
を口実にして会う
一番の目的は
あなただったりするのに


#君に会いたくて

1/19/2023, 10:34:01 AM

「日記を歩く」

本棚を整理しながら
数年前の日記に
手が伸びた

カラフルなペンで彩られた
行間の間を歩く

目が覚めるだけで
胸いっぱいに
しあわせが
広がっていた朝があった

好奇心の向かうまま
やりがいに燃えた昼があった

ヒールを履いて
るんるんと
駆け出す夕があった

ときめきが
色とりどりに
舞っていた

懐かしい友人に
出会ったように
きゅうと心が締め付けられる

わたし少し
卑屈になりすぎたかもしれない

開かれた日記
もう鍵を閉めることがないように


#閉ざされた日記

1/17/2023, 3:20:26 PM

「言の葉」

自分の中から
どんな言葉が
出てくるだろうと
わくわくしていた頃。

言葉は
こんこんと湧く
泉のように
枯れることなく
溢れ出てきた。

こころの声ではなく
世の中の声や
怖がりさんな
自分の声が
大きくなって
次第に
なにが楽しいのか
どうしたいのか
すら分からなくなった。

木枯らしが木の葉を
すべて
散り去るように
もっている言葉も
みんな散っていった。

それでも
厚い雪の下で
じっと生きている
わたしの言葉。
 
もうすぐ春
陽の光を浴びて
こころをあたたれば
きっとまた芽吹く
言の葉。



#木枯らし

1/16/2023, 1:24:24 PM

今日は「美しい」のテーマにぴったりで、
わたしにとって特別な詩を載せることにしました。

わたしが詩を書きたいと思う
きっかけとなった詩のひとつです。



「世界はうつくしいと」長田弘

うつくしいものの話をしよう。
いつからだろう。ふと気がつくと、
うつくしいということばを、ためらわず
口にすることを、誰もしなくなった。
そうしてわたしたちの会話は貧しくなった。
うつくしいものをうつくしいと言おう。

風の匂いはうつくしいと。
渓谷の石を伝わってゆく流れはうつくしいと。
午後の草に落ちている雲の影はうつくしいと。
遠くの低い山並みの静けさはうつくしいと。
きらめく川辺の光りはうつくしいと。
おおきな樹のある街の通りはうつくしいと。
行き交いの、なにげない挨拶はうつくしいと。
花々があって、奥行きのある路地はうつくしいと。
雨の日の、家々の屋根の色はうつくしいと。
太い枝を空いっぱいにひろげる
晩秋の古寺の、大銀杏はうつくしいと。
冬がくるまえの、曇り日の、
南天の、小さな朱い実はうつくしいと。
コムラサキの、実のむらさきはうつくしいと。
過ぎてゆく季節はうつくしいと。
きれいに老いてゆく人の姿はうつくしいと。

一体、ニュースとよばれる日々の破片が、
わたしたちの歴史と言うようなものだろうか。
あざやかな毎日こそ、わたしたちの価値だ。
うつくしいものをうつくしいと言おう。
幼い猫とあそぶ一刻はうつくしいと。
シュロの枝を燃やして、灰にして、撒く。
何ひとつ永遠なんてなく、いつか
すべて塵にかえるのだから、世界はうつくしいと。


#美しい

1/16/2023, 9:48:51 AM

この世界が
意味をもつとき


#この世界は

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