Rin

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1/15/2023, 7:43:22 AM

「どうしても」

どうして
と理由を尋ねられることほど
困るなことはない
と思うときがある

どうしても
そうしなければならない
理由があったかもしれない

どうしてか
わからないけれど
そうせずにはいられないときだってある

自分の放つ
言葉や行動に
どこまで
責任を
もたなければならないのか

今日はラーメンが食べたいとグゥとなるお腹
なんでもない日に花束を買いたくなる心
この瞬間を写真におさめたいと動く指先
あの人の元に向かってしまう足

すべてを上手に
言葉にしてしまう
必要はない

説明のつかないことの
なかに
隠されている
ほんとう



#どうして

1/13/2023, 3:34:38 PM

「人生の踊り場」

いつのことだっただろう。
「人生には踊り場が必要だ」
というフレーズを目にして、ほっとした。

これまでの人生
わたしの前にはいつだって
登っていくべき階段があった。

それは、義務教育という
逃げることすら考えないような
当たり前の道であり、
高校・大学のように
上を目指すことが
自分の可能性を広げることだと思っていた
当時の安定の道だった。

わたしの登って来た階段は
ある日、とうとつに平らになった。
次に登るべき階段が
どこにも見当たらない。
登りたいけど、見えない場所に
足を踏み出す勇気はわたしには、ない。

登るべき階段ではなくて、
登りたい階段を探せばいいのだ、
と目の前の階段がなくなって
ようやく気づいた。

わたしが今、階段を登ることができないのは
人生の踊り場にいるからなんだ、
と思えば絶望はしない。

踊り場では踊っていればいい。
そのうちに次の階段が、
心から登りたいと思える階段が、
見えているかもしれないから。

わたしはまだ踊り場で夢をみてたい。
人生に絶望せずに
世界は美しいと思っていたい。
食い止めていたい。
誰のものでもない自分だけの夢。



#夢をみてたい

1/13/2023, 12:47:55 AM

「わかる -ある関係性にもとづいて-」

わたしとあなた
では
ずいぶん変わって
しまったことが増えた。

隣にいるだけで
手に取るように
わかっていた、
あなたのこころが
今はわからない。

同じ木から生まれ育ったけれど、
ちがう川の流れに
散った木の葉のように
時の流れとともに 離ればなれに
押し流されていくのだろうか。
 
取り巻く環境や
一緒に過ごす人たち
そのちがいの中に身を浸し、
ずっとこのまま わかりあえない溝は
深まっていくのだろうか。

ひとのすべてを
わかることは
もう諦めた。
わからなさから
飛び立つ関係性。

わからない けれど
わかりたい と思う
その気持ちだけは 
かわらない。



#ずっとこのまま

1/11/2023, 1:39:48 PM

骨の芯から冷えるような日。
そんな日こそ詩の言葉が
真摯にまっすぐ届き、
身体中に染み渡る気がする。

澄んだ冬の空気のなか、
食べる言葉は格別うまい。



#寒さが身に染みて

1/10/2023, 1:53:38 PM

「ハタチ」

小学生くらいのころ
まだちいさなワタシは言いました
早くハタチになりたいな

思い描いたハタチの私は
うんと背が高くなり
おしゃれをして
「漠然とした希望」
という泡の中にいた

あの時のワタシは 
どんな大人に
なりたかったんだろう

今のわたし
ハタチはずんずん遠のき
「漠然とした不安」
の中にうずくまっている

大人なのに 
子どものようなまま
世間に嘘をつきながら
生きているような気がする

得たものより
失ったものを数え
ワタシの濃度を薄めながら
生きているような気がする


外から武器を得て
固い鎧を身にまとうような
強さもあれば

内にあるものを守り
心の中の結晶を
研ぎ澄ませていくような
強さもあると思う

固くとも
芯は柔らかく
冷たくとも
芯は赤々と燃え

ハタチからも
確かにつづいている道を
歩むしかないのだ

どうかわたし、
ワタシと私を守って


#20歳

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