Rin

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「人生の踊り場」

いつのことだっただろう。
「人生には踊り場が必要だ」
というフレーズを目にして、ほっとした。

これまでの人生
わたしの前にはいつだって
登っていくべき階段があった。

それは、義務教育という
逃げることすら考えないような
当たり前の道であり、
高校・大学のように
上を目指すことが
自分の可能性を広げることだと思っていた
当時の安定の道だった。

わたしの登って来た階段は
ある日、とうとつに平らになった。
次に登るべき階段が
どこにも見当たらない。
登りたいけど、見えない場所に
足を踏み出す勇気はわたしには、ない。

登るべき階段ではなくて、
登りたい階段を探せばいいのだ、
と目の前の階段がなくなって
ようやく気づいた。

わたしが今、階段を登ることができないのは
人生の踊り場にいるからなんだ、
と思えば絶望はしない。

踊り場では踊っていればいい。
そのうちに次の階段が、
心から登りたいと思える階段が、
見えているかもしれないから。

わたしはまだ踊り場で夢をみてたい。
人生に絶望せずに
世界は美しいと思っていたい。
食い止めていたい。
誰のものでもない自分だけの夢。



#夢をみてたい

1/13/2023, 3:34:38 PM