10/29/2024, 4:02:49 AM
明日晴れたらいいなって、暗がりの中で思ってた。
ここは雨も風もなければ、雷なんて騒がしいものもない。静かで暗くて居心地がいい。手足はとっくに闇色に溶けて、どこにいるかもわからない。
布団の中だったような、部屋の隅だったような。路地裏の地面かな、森の不法投棄場かも。どこでもいい。暗がりはわたしの居場所なの。
眩しいネオンも華やかな服ももういらない。多すぎる噂話、誰かの意地悪な笑み、もう見たくもない。でも。
飛び立つ白い鳩が映えるような、透き通る青い空の朝を……
実はずっと待っている。
――来るはずなんか、ないのにね。
10/27/2024, 12:02:59 PM
ふわりと広がる紅茶の香りに君の唇を思い出す。
ティーカップのハンドルのように華奢だったあの指をいつまでも握っていられたなら、こんな胸の痛みを知ることはなかっただろう。
今日はコーヒー派の僕が唯一紅茶を飲む日。
ペアの指輪を磨いた手で、一緒に選んだカップを包みながら、あと何回紅茶を飲めば君にまた会えるかを古い窓辺でまた考えている。