ふわりと広がる紅茶の香りに君の唇を思い出す。ティーカップのハンドルのように華奢だったあの指をいつまでも握っていられたなら、こんな胸の痛みを知ることはなかっただろう。今日はコーヒー派の僕が唯一紅茶を飲む日。ペアの指輪を磨いた手で、一緒に選んだカップを包みながら、あと何回紅茶を飲めば君にまた会えるかを古い窓辺でまた考えている。
10/27/2024, 12:02:59 PM