家族にも、友達にも恵まれてたくさんたくさん愛されてきた。
でも私は、その愛とは違う種類の、いわば"恋人"から貰える愛がずっとずっと欲しかった。
こんなに愛されて幸せなのに、どうしてどこか寂しいのだろう。
でも所詮は、本当の愛に気づかないでないものねだりをするだけの、幼い子どもだ。
下を向いて、目を閉じる。
一つ息を吐いて、自分の中の湿っぽくなったものを追い出そうとする。
泣かない。もう私はそんな歳じゃないし、ここで泣いたら負けてしまうように思えて嫌だった。
でもそうやってやり過ごそうとする度に、胸の奥で泣いている小さな自分を見つけるんだ。
そうして傷ついている自分に、「何ともない」と繰り返す。
結婚願望なんて皆無に等しいし、嫁き遅れ、なんて全く気にしていない。むしろバリバリ仕事したいし、出産願望も皆無だ。
だけど、何故だか気になってこの時期に雛人形の顔を見ないと落ち着かない。
せめて、結婚していなくても相手がいなくても、寂しい独り身にはなりたくない、のかもしれない。
そんな気持ちで、ついつい19回目のお雛様飾り付けを迎えてしまう。
君は今、どこにいますか?
何をしていますか?
どんなことが好きになって、どんなことを目指していますか?
いつか、もう一度私と君の進む道が交わることは、あると思いますか。もしあるとすれば、それはいつになると思いますか。
君の"今"をほとんど知らない私ですが、これだけははっきり言えるんです。
ずっとずっと君が私の中にいて、ずっとずっと私の支えになってくれてたこと。
いつかまた出会えたら、そう言ってたくさんたくさん私の"今"の力でお返しできたらいいな。
太陽のようなあの子。
眩しくて、少し嫌いだった。
でも本当の本音は、素直に受け止められる器が羨ましかった。余計なことは何も考えず、真っ直ぐに素直でいられるのは、意外と難しいことだから。あなたはどうしてそんなに素直でいられるのって、隣にいるといつも思ってた。
そんな捻くれた私も、あなたの持つ太陽光に救われたんだ。あなたみたいにはなれないけど、たまにはあなたのように笑ってみるよ。そうしたら「下手だね」と、あの太陽のような笑顔で笑ってね。