2/15/2025, 1:28:11 PM
君の声がする
深夜に家を押しかけたのに、
彼女は笑顔で招き入れてくれた。
「なんか、助けてって言ってたかなって思って」
数時間前、電話を通して聞いた声から
そんな気がして今に至る。
なにそれ、と笑う君の声は
心なしか震えていた。
「おれはいつだって側にいたい」
いつのまにか、
彼女の目からは涙が溢れていた。
2/11/2025, 11:11:54 AM
ココロ
苦しくて、泣きたくて、逃げたくて。
そんな気持ちは封印して、仮面を被る。
偽りの「ココロ」は有能だ。
ずっと使えて、なによりすごく便利。
だが、同時に
本当の「心」を失ってゆく。
嬉しい、楽しい、心地よい。
いつしか、心は崩れてココロになる。
そんなことを言われたって、
どうしようもねえんだよ…というのが
実際の本音です…。
2/10/2025, 1:18:32 PM
星に願って
幼馴染が泣きついてきたのは、
ちょうど星が綺麗な夜だった。
散歩する中で、呆れるほどの愚痴を聞き、
家に着く頃には、すっかり機嫌も直っていた。
「ありがとね。やっぱ、持つべきは幼馴染だわ」
帰ろうとする君に言えたのは
「星が綺麗やね…今日」
の一言。
なんやそれ、と笑う君に苦笑いを返した。
星が綺麗ですね
「あなたは私の想いを知らないのでしょうね」
2/9/2025, 1:26:06 PM
君の背中
「フラれた…」
入店して開口一番にそう言ったのは、
スーツを着た、細縁メガネの男の人。
開店当初からの常連さんらしい。
恋愛相談をよく持ちかけられていたが、
結ばれているという私の予想は外れていた。
コーヒーを飲んでいる、
意外にもがっちりしている背中にポツリ…。
「よかった…」
想いはいつになれば届くかな…。
2/8/2025, 12:53:52 PM
遠く…
距離は遠くないはずなのに、
どうしてこんなに間が空いている
気がするんだろうか。
手を伸ばせば届くのに、手が動かなくて。
声を掛ければいいのに、喉が震えなくて。
前を歩くきみとの距離は近くて遠い。