私の名前

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2/16/2024, 12:11:14 PM

#9 「誰よりも」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

僕よりも充実した誰かをみて、自分の存在価値を見失った。
見えたところで。不細工なんだ。

おにぎりかパンかで迷って、なにも選べなかった。
より肝心な時ほど聴こえない。聴きたくない。

職場の上司にあてられて、僕の心は砕け散った。
ワレモノ注意。取り扱いは慎重に…。

醜態を周囲にさらして、自分の浅はかさを咀嚼した。
最高に不味かった。もう食べたくはない。

知人Aの自慢話を、延々と聞かされ続けた。
鼻につくそれを嗅がなくてもいいように、必死に穴を塞いだ。無駄だった。



泣きたくなった。
この広い海原に、簡単に沈む僕の船はまるで役に立たない。

恥ずかしくなった。
出来損ないで頭の足らないどこかの誰かが、
それが僕自身であることが。


つい微笑みたくなった。
優れた図工作品に並ぶ、不器用で不格好な一級品に。

誇らしくなった。
ここで人間を全うするどこかの誰かが、
それが僕自身であることが。








誰よりも自分が大嫌いで、

誰よりも自分が大好きで。




そんな自分が大嫌いで憎いけど、

そんな自分が大好きで愛おしい。

1/15/2024, 10:56:58 AM

#8 「この世界は」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

誰かが亡くなった。
誰かが産まれた。

誰かが死んだ。
誰かが生きた。

誰かが泣いた。
誰かが笑った。

誰かが喜んだ。
誰かが悲しんだ。

誰かが見捨てた。
誰かが手を差し伸べた。

誰かが起きた。
誰かが寝た。

誰かが食べた。
誰かが吐いた。

誰かが傷ついた。
誰かが傷つけた。


誰かが



誰かが





僕が






私が














貴方が

1/14/2024, 1:09:39 PM

#7 「どうして」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄





ボツ

1/13/2024, 3:00:23 PM

#6 「夢をみてたい」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

とある勇者は、その世界の魔王に敗北した。
唯一の希望は、普遍の絶望へと変貌した。

とある母親は、最愛の息子を殺した。
至純の愛情は、邪心の殺意へと変遷した。

とある貴婦人は、地位を失った。
満たされた欲望は、渇いた慨嘆へと顛落した。

……



そんな夢をみた。
そんな夢をみた気がした。

今もまだ、そんな夢をみている気がする。






ユメをみてたい







気がした。







 ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄。


















とある自分は

1/12/2024, 11:07:55 AM

#5 「ずっとこのまま」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

目が覚めて、また眠って、起きて。
洗面所までの距離は数メートルなのに、僕の体は言うことを聞かない。

そのまま布団の中で過ごして


あったかい。


でも僕はそんなことすら感じてはいけない気がして。そんなことを思ったって、言うことを聞いてくれない体も、あったかいという事実も変わりはしないのに。

少しでもネガティブを取り入れないと僕の存在意義がなくなってしまうから、そんなどうしようもないことを考えなくちゃいけない。
そんな自分が気持ち悪くて仕方がなくて。



今日も精一杯、生産性のないことを考えた。考えて考えて考えた。
動きもしないこの体も意思も、昨日と何も変わらない。

今日も精一杯、地球滅亡に貢献した。
二酸化炭素を排出して、鼻をかんだティッシュと、ほんの少しの排泄物をこの世界に残した。



誰がこんな僕を好いてくれようか。だから寂しいなんて思っちゃいけない。
甘えたいとか、甘えるとか。

そう思いつつ、この環境にどっぷり甘えているのはどこのどいつサマだろうか。

相反するこいつが、異常に不快で
心地よくて。


誰がこんな僕を好いてくれようか。

そんなことは、どっかの誰かサマが一番よく分かってるくせに。




そんな自分が、そんな自分のことが
世界で一番大好きなくせに。

優劣と順番と、なんてどこにもないけど




そんな自己中心的な自分の賞味期限は、そう長くは持たないだろうけど、
まだ無くなりそうにないこの味を、啜り尽くしてやろうと思った。

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