私が思うに絆は、誰とでも結べるものではない。
私が選んだ人、私を選んだ人が一致して初めて、その間で絆が結ばれる。
時間が経てば結ばれるものでもない。他人に流されて結ぶものでもない。簡単に結ぶことのできない一生大切にするべき絆。だからこそ、素晴らしく尊いのだ。
辛さを覚える絆は、虚像だ。
強制的に結ばれた絆を、あなたは抱えていませんか?
その絆は、あなたの望んだ絆ですか?
あなたの望む絆を、あなたを望む人と結ぶことこそ、幸せへの第一歩である。
近頃の社会は、問題ばかりだ。戦争、環境、政治、人間関係。私たち学生にも、こういった問題が常に提起され、考えろ、解決しろと言われる。
そうしてあなたは、疲れていませんか。
問題の解決や緩和を考えることは、確かに必要なことだ。しかしそれによって疲弊するのは、良くない。
だからたまには、一度頭をリセットして、好きなことをしてみるといい。
ゲームとか、アニメとか、その他の趣味とか。その時は何も考えなくていい。ただ、没頭する。
それでも心の蟠りが消えない時は、外に出て青空を見てみるといい。
問題だらけのこの世界は、それでも青い空の下にある。それでも美しく存在する。
たまには、一人の人間として、この美しい世界にただ、存在するだけでいい。
大好きな君に、私はひっついてまわりました。
いつも君の家で遊びました。学校からの帰り道、休日は朝から。他のお友達も呼んで、みんなでゲームに白熱していたっけ。君はいつも負けていましたね。
大好きな君に、私の大好きな男の子についてお話ししたことがありました。頑張れって君は言ってくれたけど、本当は少し、モヤモヤとした気持ちを抱えていたことを、私は知ってるよ。そうして私は、君の気持ちを知りました。
大好きな君は、私を見ると顔を歪ませる。逃げたいのかな?踵を返すけれど、そこに逃げ道があったことはないよね。君が諦めてくれないから、私はこうするしかないのです。
私と同じ子が大好きな君に、今日も私は、地獄を見せる。
桃の節句。通称、ひなまつり。今年も、その日がやってきた。
何もない真っ暗な空間から、優しく連れ出される。瞳を開けると、毎年目にする光景がそこにはあった。
隣では私の愛しい方が座っている。私は赤い衣に身を包み、あの方は黒の衣に冠をつけて、静かに微笑んでいる。私の手には扇子、あの方の手には笏。それぞれの横には美しい桜と橘の木が並び、前には餅の膳が運ばれる。
そっと遠くに目をやると、女の幼子がこちらをキラキラとした目で見つめていた。その様子に安泰しながら、私たちは今年も、その任を全うする。
「あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人囃子の笛太鼓
今日は楽しいひなまつり」
暗く、それでもどこか美しいその歌が、その幼子から聞こえた。
私は探している。
平凡な日々だ。朝目が覚めたらまず用を足しにトイレへ向かう。そのあと顔を洗って、朝ごはんを食べて、歯を磨き終わったら身支度を済ませ、さほど余裕もなく会社へ向かう。街行く学生を見れば、度々自分の学生時代を思い出す。
あの頃はよく、夢を見ていた。ケーキ屋さんとか、服屋さんとか。女優や、一時期ドハマりして声優を夢見たり。その割に大した努力もせずいつのまにか夢を捨てていた。それを繰り返すうちに、今はそこらのOL。多分、私がいなくても普通に社会は回るし、悲しいことに代わりはいくらでもいるだろう。
希望はない。適当にお金を稼いで、運が良ければ結婚でもして、子供が何人か生まれるのもいい。とにかく、平凡な人生を送りたい。
それでも、私は探している。このちっぽけで平凡な願望の中に、たった一つでいいから、心の底から掴みたいと思える希望を。あの頃に捨てた将来の希望を。
たった一つ。たった一つの希望。それだけで、この平凡な人生は、変わるはずなのだ。