ミキミヤ

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6/6/2025, 8:37:18 AM

ゲリラ豪雨が過ぎて、嘘みたいに空は晴れた。
眩しい陽射しが私のうなじを焼く。
水たまりに映る空は、本物を切り取ったみたいで、透き通って、蒼くて、美しかった。
明日はよく晴れて、雨も降らないという。きっとこの水たまりも、徐々に小さくなって消えてしまうのだろう。儚いなあ、と思った。だから、何か残しておきたい気持ちになって、私はスマホを取り出した。カメラアプリを立ち上げて写真を撮る。もう二度と同じ空はないから、今しかない空を映した今しかない景色の写真になった。
レインシューズを履いた私は、水たまりの空を乱さないように、慎重に避けて歩き出した。儚く消える水たまりに映る空を後ろに、私は、眩しい夏を歩いていた。

6/5/2025, 7:17:21 AM

「ずっと一緒にいようね」
そう私に囁いたあなたの瞳に宿っていたのは、恋か、愛か、それとも依存か。
それをはっきりさせないまま、私はずっとあなたのそばで過ごしてる。
だって、私は、あなたのそばにいたいのよ。あなたの隣を誰にも譲りたくない。誰かに譲るくらいなら、この命を投げ出してしまいたい。それくらいあなたを愛してるの。

ねえ、あなた、ずっとそのままでいて。他の誰かや何かに目移りなんてしないで。ただ「ずっと一緒だよ」って無邪気に笑っていて。
そうしたらきっと私、ずっと誰も傷つけずに、あなたの隣で笑っていられるから。

6/4/2025, 9:58:01 AM

約束だよ 後日書きます

6/3/2025, 1:18:24 AM

私は、完全犯罪を成し遂げた。
土砂降りの雨の中、傘の雑踏に紛れ歩く。
何か月も前から準備してきた計画は、面白いほどにうまくいった。
思わず口元がにやけてしょうがない。それを他から見えないように、傘の中に隠す。
傘の中に、狂気を秘めて、道を歩く。傘の中の秘密は他の誰にもわからないまま。
この雨が止んで、傘を畳む時は、“普通”の仮面を完璧に被ってみせよう。
だから今だけ。誰にも見えない傘の中、私は湧き上がる狂喜をあらわにした。

6/2/2025, 9:06:50 AM

雨上がり、雲間から光が差し込み、濡れたアスファルトを煌めかせている。
俺は歩道橋の上で立ち止まり、それを見ていた。
俺の右手にある畳まれた傘からは、まだ雫が流れ落ちている。

激しい雨だった。厚い雨雲が世界を閉ざし、薄暗闇に染めていた。もう、ずっとやまないんじゃないかと思うほど、長く長く降り続いていた。それが、嘘みたいに光が差している。『やまない雨はない』。使い古された言葉だけれど、まさにそうだと俺は実感していた。
失敗続きで、落ち込んでばかりで、もうずーっと落ちていくしかないと思っていた俺の心は、雨上がりの煌めく景色に、大きく揺さぶられていた。

もし、暗く雨が降るばかりだと思っていた俺の人生にも、こんな煌めく瞬間があるとしたら。
過去の失敗を反省するのは大事だ。ただ、そればかりにとらわれては、先にある煌めきにきっと気づけない。

自動車が歩道橋の下を通り過ぎていく。跳ね上げられた水たまりの水が、太陽光を浴びてキラキラと瞬いた。

俺はその場で大きく深呼吸して、再び歩き出した。
この先に、煌めく瞬間はきっとある。それがどれほどやってきてくれるのかはわからないけれど、ただその瞬間があると信じられるだけで、今の俺には充分だった。
歩き出した俺を照らす光は、眩く、あたたかかった。

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