ミキミヤ

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4/3/2025, 8:01:53 AM

空に向かって、ぐんぐんぐんぐん伸びていく。眩しい太陽を目指して、成長していく。
たぶんいつか限界が来て、太陽との間にはどうしたって届かない距離っていうのが分かってしまうんだろう。それは知ってる。
それでもぼくは、空に向かって、太陽を目指して、背を伸ばす。伸びてく自分が嬉しいから。太陽に近づくのが楽しいから。いつか成長しきって、枯れてしまう日が来ても、もっと伸びたかったって後悔したくないから。
今日もぼくは、空に向かって、ぐんぐんぐんぐん伸びていく。

4/2/2025, 8:37:15 AM

はじめまして 後日書きます

4/1/2025, 3:12:01 AM

またね! 後日書きます

3/31/2025, 8:42:40 AM

地方ニュースで桜満開の報が流れた翌週末、俺は1人で桜並木を歩いていた。毎年桜が咲く時期に訪れている場所だ。
今年は満開の時期を逃し、少し緑が混じっているものの、薄紅色に染まる並木は美しかった。時折風が強く吹いて、一層美しく花弁が舞う。ゆっくりと歩きながらそのさまを眺めていると、花弁に交じって、ひらりと四角い布のようなものが宙を舞っていることに気がついた。それはこちらに向かって飛んでくる。よく見ればそれはハンカチのようだった。俺の頭上までやってきたとき、俺は反射的に手を伸ばしていた。
そのハンカチは、白い四角い布の周りに、控えめな薄紅色のレースがあしらわれ、角に1つ、桜の花と思われる刺繍が施されていた。なんだか上品な印象を感じさせる代物だ。

「すみません!」

前方から、女性の声。俺がハンカチから目を上げると、そこには息を切らした女性がいた。桜の花弁のような薄紅色のワンピースを着た、艷やかな黒髪が印象的な女性だった。

「そのハンカチ、私のです。拾ってくださってありがとうございます」

女性は風にあおられる黒髪を抑えながら、目線を俺の手元のハンカチにやって、言った。

「そうだったんですね。土に落ちる前にキャッチできてよかった」

俺は女性へとハンカチを差し出しながら言った。
女性は俺からハンカチを受け取って、またお礼を言ってお辞儀をする。肩から滑り落ちる黒髪が綺麗だった。

「とても素敵な印象のハンカチだったので、どんな方が持ち主なのだろうと考えていました。現れたあなたがハンカチの印象に違わず……いや、それ以上に素敵な方で驚きましたよ」

彼女の様子を見ていたら、自然と口が動いていた。俺らしくもない歯の浮くようなセリフだった。言ってから恥ずかしくなった俺は、頬に熱が集まるのを感じていた。彼女を見れば、その白い頬をぽっと薄紅色に染めて、反応に困っていた。

「え、あ、ありがとうございます……?」

彼女が困った様子で言う。俺はそれがなんだか可笑しくて、笑った。そんな俺を見て、彼女もふふっと笑ってくれた。

俺達の隣を、春の麗らかな風が花弁を乗せて吹いていく。
花弁の中、笑う彼女は美しく、まるで桜の精のようだった。
春風とともにやってきたこの出逢いに、俺は始まりの気配を感じていた。

3/30/2025, 8:01:14 AM

不意に視界が歪んで、私は、慌てて立ち止まり、顔を上向ける。
目に飛び込んできた満月はくっきりと眩しいくらいに存在を主張していたけれど、次第に歪んでぼやけてハッキリしなくなる。眉を顰め、目元に力を入れて耐えていたけれど、遂にポツリと頬を雫が伝って、少しだけ視界がクリアになった。一度目から溢れてしまえば、あとは簡単で、次から次へと雫が頬を落ちていく。

泣きたくなんかないのに。

好きだった人が、今日会社を辞めていった。
結婚して、相手の実家に近いところへ引っ越すのだと言う。
私は笑顔であの人を見送って、我ながら上手くお祝いできたと思っていたのに、独りになった途端にこれだ。

何で涙なんて出るんだろう。

あの人は幸せそうだったじゃないか。
相手だってすごく良い人そうで、きっとこれからも幸せでいられる。
あの人を幸せにするのは私じゃなかった、ただそれだけの話。
第一、私は1年も前に『恋人がいるから』って振られたじゃないか。それでもう諦めたはずじゃないか。

どんなに理屈を並べても、涙は全然止まってくれない。
私はただその場で、頬を伝っていく雫はそのままに、感情の波が過ぎ去るのを待つことしかできなかった。

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