四片

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4/30/2024, 10:37:57 PM

〝楽園〟

最近、家庭菜園を始めた。
まだほんの少ししか育てていないが、
自分の作った物を食べる喜びを知った。
次は何にチャレンジしよう。
私の楽園はちょっとずつ進化する。

4/30/2024, 9:29:31 AM

〝風に乗って〟

髪やスカートの裾が、音を立て風を受けている。
追い風はありがたいが、今の自分の姿を考えると、
いい事ばかりじゃないなって思う。
早く目的地に着かなくては。
ギアを一つ上げ、自転車を加速させる。
風に乗って、何処までも行けそうだ。
ああ、やっぱり追い風っていいな。

4/29/2024, 12:36:20 AM

〝刹那〟

長めの信号を待っていると、背後から衝撃を感じた。
フワッと、身体が前に倒れ込んでいく。
赤い信号機やトラックの音がやけに遠くて、
代わりに今までの記憶がフラッシュバックしている。
所謂、走馬灯というものだろうか。
ああ、私は死ぬのだな。
そう思い目を閉じようとしたその刹那、
誰かが私の腕を掴んだ。
「ひゃっ」
「おい、大丈夫か」
「ありがとうございます…って、アンタか」
「親友に向かってアンタか、とはなんだ」
「ごめんごめん驚いちゃって…」
「ま、無事でなりより」
「おかげさまで助かったよ。あと、なんでここに?」
「いや別に、偶然外歩いててさ。
見かけたから、声掛けようと思ったんだ。
それで近づいたら、オマエが倒れかけてたってわけ」
「そっか、偶然に感謝しなきゃね。今から時間ある?」
「ああ、特に用事もないけど」
「じゃ、お礼に奢らせてよ!最近いい店見つけたんだ」
「おっいいじゃん」
「決まりだね!よしっ行こいこ!」
顔の赤さがバレないように、急いで彼を先導する。
親友が違う存在になるのは、意外と早いかもしれない。

4/28/2024, 12:39:38 PM

〝生きる意味〟

「ごめんね、私、明日死ぬつもりなんだ」
いつも通りの帰り道で、幼馴染が放った言葉。
それは日常とはかけ離れていて、
理解するまでに時間がかかってしまった。
「ちょっと待って…」
いつも以上に心臓が五月蝿くて、思考がまとまらない。「私ね、最近部活でいじめって程じゃないけど、
いじられてて。
だからかな、生きる意味が分かんなくなったんだ。
もう、両親も生きていないし」
「…その、先生には、もう言ったの?
それに、どうして打ち明けてくれなかったの?」
「心配かけたくなくて、
私が死ぬことも言わないつもりだった。
でも、どうしてもお別れが言いたくて」
「お別れなんて言わなくていい、ずっと一緒にいてよ」
「ごめんね、もう無理なんだ。今まで本当に…」
「あのね、貴方のことが好きなの。
ずっとずっと言いたかった。
でも、女同士なんて気持ち悪いって思うだろうし、
貴方に迷惑をかけたくなかった」
「それ、ホント、なの…?」
困惑した目で、ぼうっと彼女はこちらを見つめている。
「ホントだよ。貴方といるだけで、心臓が五月蝿いの。返事は、しなくても大丈夫だよ。
答えは分かってるし、貴方を苦しめたくない。
でもね、代わりに、貴方の時間を頂戴」
「だから、私は明日死ぬって…」
「私が、貴方の生きる意味になる。
だから、貴方がそう思うまで側にいさせてよ」
「全く、しょうがないな…」
そういう彼女の目には、少しだけ光が宿っていた。

4/27/2024, 9:49:09 AM

〝善悪〟

何が善くて、何が悪いのか。
そんなもの、個人の裁量で勝手に考えるしかない。
だって、善悪に違いなんてそうないから。

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