絶えて桜の

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6/22/2024, 2:33:20 PM

日常はつまらない。
君に会うのはつまらない。

そう思えるのは会えるということが日常であるときだけ。
失ってから気づくんだ。

君自身のつまらなさに。

そうやって僕は今日も失恋の苦しみを君に投射してる。

6/3/2024, 11:52:09 AM

2【失恋】

君と初めての映画。

高揚感からついラブストーリーを選んでしまったが、失恋ものだった。


僕は過去を思い出した。


火薬の匂い、君を照らす花、影は二つ。
“愛してる”と詠む唇、頬伝う指、僕の涙。

失恋を知ったあの日に君との来世を願った。


映画を見る。
隣にはポップコーンを食べる君がいる。

今世はきっと幸せだ。

失恋なんてするものか。

6/2/2024, 1:31:02 PM

2【正直】

あ。

君だ。

分かってしまったんだ、直感的に。


夏の匂いに溶け出す淡いシャンプーの匂い。
夏服の軽いスカートと走る海辺。
七月の青い海と花火大会のチラシ。

君だ。

僕は君に出会うために生まれ変わったんだ。

信じてもらえないかもしれないけど、君には伝えないといけない。

ただ、正直に。

君に、真っ直ぐに。


「また会えたね。」

あぁ。生まれ変わっても君は君だ。

また君が彼から花火大会に誘われる前に、僕が君のカレンダーに書かれたい。


「八月の花火、一緒に行かない?」

僕の正直な気持ち。
君の真っ直ぐな眼差し。

夏はまだ終わらない。

6/1/2024, 10:55:27 AM

1【梅雨】

梅雨空はどうやら僕のことが嫌いらしい。
君に会いたいのに会うことができない。


いつか見た君の姿は夏の主役のようだった。
ならば梅雨は舞台袖だろうか。

夏の終わり、花火。
あれから10年たった今でも彼と花火を見るのか。

その前に一度、君に会いたい。

あともう一度だけ。


とはいえ、それでは舞台の悪役だ。
僕は君の人生になりたい。

今回ではどうやら駄目なようだ。

悪役のカーテンコールは今なのか。


梅雨空が明けた。
光が差し込む。
幕が上がる。

僕は上がる。

そして、



――――――生まれ変わる。

5/31/2024, 1:10:04 PM

1【無垢】

君は白百合。無垢な白百合。
八月の入道雲にも、二月の雪化粧にも負けないほど儚くて美しい。
僕は到底近づけない。君は眩しい。

記憶の糸を解き辿ると、そこには君がいた。
七月の波打ち際の君。
八月の花火の下の君。

でも九月の君はいない。

君にはもう僕が見えない。
透明な僕に記憶は無い。

きっと今頃彼と―――――。


なんて考えてみてはまた一人。

無垢な君に触れる権利なんて端から無かったんだ。
白百合にとっては濁りすぎてる、オオバコの記憶を植えてしまったようだ。
でも残ってほしい。
君の足跡に僕はいたい。


君の来世で君の人生になりたい。

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