【夜が明けた。】
いつも通り眠りにつき、夜が明けた。
あぁ…また社畜になる日が来た。
社畜は走るよ、
なんのため?上司のミスの尻拭いのため。
今日も今日とて走る走る、
やっとやる事終わったぁ…。
走り疲れて休んでいると、
上司がため息つきながらこっちに来たよ。
今日中に終わらせないといけない
仕事が出来てなくて、上に怒られたらしい。
あぁ…嫌な予感…
上から頼まれた仕事、
上司自身がやってなくて、上司自身が悪いのに、
お前も手伝えだって。
あぁぁ…
社畜は走るよ、どこまでも、
自分の仕事は終わってるのに。
今日も今日とて上司と居残り、
残業確定で走る走る…。
【どこへいこう】
なんだかやけに
やる気が出ない時がある。
好きなゲームをしても
すぐにセーブして辞めちゃうし、
音楽を聴いてても、2曲聴くだけで気が散るし、
絵を描こうとしても鉛筆が進まない。
なんか疲れてるのかもな、
気分転換に少し散歩でもするかな。
って行っても行先は決めてないし…
まぁ適当に歩くのもたまにはいいかな
さてと、今日はどこへいこうかな
【星明かり】
産まれて初めて1人きりになった、
病院帰りの夜道。
どうにも心細くて、下ばかり見て歩いてた。
いつもなら、左に必ず家族がいるけど、
そのいつも隣にいた人が、倒れたからだ。
普段なら、みんなと一緒にいる夜道は、
みんなと一緒だからか、怖くなんかなかった。
でも今日はいない、一人で帰るしかない…。
ただ帰るだけ…空だってこんなにも
綺麗な星明かりなのに、妙に怖い。
多分これもきっと、1人だからだ。
みんながいないだけで、夜道を帰るのが
こんなにも怖いものなんだなと、実感した。
それと、同時に、
前を見るのも後ろを見るのも怖くてしょうがない、
下を向いて歩くしか出来なくて、
重要な時だけ顔を上げる…そんな歩き方をしてた。
そんな時、帰り道で人とぶつかった
いつもなら、簡単にすいませんって謝れるのに、
謝ろうと思っても、声も出なかった…
その瞬間思った、
普段当たり前のようにそばに居る人が、
居なくなるかもしれない…
そんな状況に陥った瞬間、
今の現状が、自分が分かってないだけで、
自分の中でどれほど大切で、
どれだけかけがえのないものなのか。
そんな窮地に陥るとやっと気付く事、
それが自分が1番失いたく無いもの、
失うのが怖いものだと私は思う。
【影絵】
影絵ってものは、自分でやるのは得意じゃない。
出来て、簡単なキツネとかくらいしか、
やり方を覚えてないからだ。
だから、影絵が上手い人は憧れる
だってそもそも、指が柔軟だなと思うし、
手先も器用だから。
だから私は今後も、影絵は見る専でいいや…笑
【物語の始まり】
何か小説を書くとすれば、
私なら物語の始まりはこう。
これは、私が学生の頃に、本当にあった怖い話…
普段から、毎日のように夢を見る私。
その日はいつも見る様な、
転々と場面が切り替わる夢ではなく、
ただ一つの場所を目指して、
住宅街の夜道を歩いてバスに乗る、
そこに不気味な女の人がいる、そんな少し怖い夢。
これだけだったら、まだいつもの事なのだが、
私はこの夢を何年もの間、
全く同じ内容のこの夢を、何度も見る様になった。
次第に私は、夢に出てきたバス。
その終点の地名がやたら気になり、
起きたあと、現実で調べる程になった。
けれど、その地名は幾ら探しても見つからない。
なのに、バス停のある住宅街には既視感がある。
実際、現実に似たような住宅街はあっても、
そこにバス停はひとつも無い。
今ではもう地名を覚えてなくて
余りその夢自体も見なくなったけれど、
もしあのまま血眼になって、
検索をし続けていたら…
自分が現実で、普通に乗ったバスが
その異界行きのバスだったりして…なんてね。
これが、私が実際に体験した夢にまつわる怖い話。