ねこみかん

Open App

【物語の始まり】

何か小説を書くとすれば、
私なら物語の始まりはこう。

これは、私が学生の頃に、本当にあった怖い話…
普段から、毎日のように夢を見る私。
その日はいつも見る様な、
転々と場面が切り替わる夢ではなく、
ただ一つの場所を目指して、
住宅街の夜道を歩いてバスに乗る、
そこに不気味な女の人がいる、そんな少し怖い夢。

これだけだったら、まだいつもの事なのだが、
私はこの夢を何年もの間、
全く同じ内容のこの夢を、何度も見る様になった。

次第に私は、夢に出てきたバス。
その終点の地名がやたら気になり、
起きたあと、現実で調べる程になった。

けれど、その地名は幾ら探しても見つからない。
なのに、バス停のある住宅街には既視感がある。
実際、現実に似たような住宅街はあっても、
そこにバス停はひとつも無い。

今ではもう地名を覚えてなくて
余りその夢自体も見なくなったけれど、
もしあのまま血眼になって、
検索をし続けていたら…
自分が現実で、普通に乗ったバスが
その異界行きのバスだったりして…なんてね。

これが、私が実際に体験した夢にまつわる怖い話。

4/18/2025, 11:42:25 AM