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2/27/2024, 1:14:23 PM


今日は雲ひとつ無い良い天気、窓から吹き抜ける風はまだ少し寒いが春の雰囲気を感じる。机の上のマグカップからは、美味しそうな珈琲の香りが薄く漂う。うーん、と彼女は伸びをする。こきこきと肩の関節が鳴り、少しだけ体がスッキリした。
時刻は正午を少し過ぎた辺り、陽の光は心地よすぎて眠気を誘う。
そうだ、部屋の掃除をしよう。体も動かすことが出来るし、きっと頭に霞がかかるような眠気も吹っ飛ぶ事間違いなしだ。
そうと決まると彼女の動きは早かった。まずは机の上に広げたノートやプリントを隅に寄せて、飲みかけの珈琲をごくんと飲み下す。休む間もなく部屋の中に手をつける。床に置きっぱなしていた読みかけの本、有線イヤホンにゲームソフト、広げたままのエコバッグ。
足の踏み場はあるが、散らかっているのは間違いないだろう。とりあえず、床の上のものは机と椅子の上に避難させる。掃除機を下の階から持ってきて、塵一つ残さないように吸い上げ、その後はしっかり粘着テープをコロコロさせておく。
「よし、完璧!」
掃除機もコロコロも元の位置に戻し、小物類も床の上から消えている。やっぱり体を動かすのは良い事だ、部屋も片付いて一石二鳥だなぁと思いながら、ふっと壁のカレンダーに目が止まる。
「明日が定期テストって事以外は…完璧…」


”現実逃避”

2/26/2024, 12:52:04 PM

物憂げな空

空を見上げるのは、大抵気分が憂鬱な時だ。
何もかもが上手くいかなかったり、自分のすること全てに意味が無いように感じたり。下を向くと尚のこと気持ちが沈んでしまう、何とかして気分を上向きにしようと空を見るのかもしれない。
しかし、そんな私の思いをよそに、見上げた空はどんよりと厚い雲が覆っている。
「天気ぐらい…良くたっていいじゃん」
足元の小石をローファーで蹴り飛ばし、腰掛けたベンチに背を預ける。硬い、冷たい、ぎいぎい鳴る。バス停のベンチの座り心地はもちろん最悪、口から大きなため息が盛れた。3年間座ってきたけれど、改善される様子はひとつもない。

今日は推薦入試の合否が出た日だ。
私が生きてきた中で一番、最悪の日。

私の周りの物も人も全てに、優しくして欲しかったし逆に、何もしないでいて欲しい日だった。

私は落ちた、たった1人だけ。

だから、見上げた空くらい晴れていて欲しかった