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永遠なんて、ないけれど

あれば良いと願ってしまう。この瞬間、この時間、今まで感じたその刹那を切り取って保管したい。
でも保管したところで見直しはしない、自分の心の奥底の誰にも見られない場所に隠して、隠して、鍵をかける。自分でもどこに隠したか分からないくらい、遠い場所。そうして、随分時が経ってから思い出す。

そんな時もあった、と。

それは、きっと、他でも無い永遠だろう。

目の前の棺をみてそう思う、花に囲まれた友人の身体は今まで見て来た中で一番綺麗だった。外は酷い雷雨で騒がしいが、式は粛々と行われる。

アイツを連れて逝くのは、後光じゃなくて雷光だ。


9/29/2025, 5:49:47 AM