愛があれば平和になるなんて
誰が言ったのだろう?
愛があればある分だけ
それぞれの平和がぶつかって
戦争になるだけなのに
3/10『愛と平和』
目を閉じれば、一秒経っている。
一秒あれば、一歩進められる。
一歩進めば、人生が進む。
その繰り返し。
後ろを振り返れば、ボロボロの道。
舗装しながら通ってきたつもりでも、実は補修出来ていない部分も多々あったようだ。
それでも補修出来ないまま、前だけ見て進んでいく。
僕の過ぎ去った日々は、いつか幸せにたどり着く黄色いレンガの道になるのだろうか。
3/9『過ぎ去った日々』
お金よりも大事なもの。
時間と愛。
手に入れたくてもお金では手にはいらないもの。
戻すことは出来ないし、築くことも崩壊も一瞬のもの。
3/8『お金より大事なもの』
「こんなに月が蒼い夜は不思議なことが起こる」
と、昔誰かが歌っていた。
だから、「何かが起こればいい」と思ってベランダに出た。
手すりを掴んで見上げた空はくっきり空に浮かぶ蒼。
その中にある影がうさぎのように見えた。
そのうさぎが見えた瞬間、影がこちらにぷっくりと浮き出して、僕の前にふわりと降りてきた。
なんて、ことがあればいいのに。
空は何の変哲もなく、ただ明日も晴れるだろうという青と蒼が浮かんでいるだけ。
「はぁ」
現実は歌のようにはいかない、つまらないものだと改めて思った。
僕はまたたく星を背に部屋に戻った。
3/7『月夜』
このままではいけないと
繋ぎ直そうとしてメッセージを送る
細くほつれた絆を取り戻すように
もう切れかかっているとわかっているのに
もう一度繋ぎ直したくて
懸命に縒り繕うように言葉を選んで
メッセージを送り直す
取り消しの出来ないメッセージを重ねることに
焦りと不安を覚えながら
何とか君との絆を取り戻したい
3/6『絆』
たまにはちゃんと更新しようとして
時間通りに浮かばぬまま
今日もギリギリに上げる
3/5『たまには』
旅行シーズン。
大学生や高校生が最後の思い出にと楽しそうに笑顔で歩いていく。
参道沿いのお土産屋で働く私には、この季節は嫌いで尊い。
嫌いな理由は忙しくなるから。
尊い理由は旅行者のキラキラな笑顔が見られるから。
「これください」
「わー、美味しそう」
「こんなもの選ぶの?」
「こういうところに来たからでしょ。案外気に入ってくれるかも」
お土産物屋だからこそのラインナップに様々な声が店内で聞こえる。
そのどれもがにこやかで、誰も悲しい顔をしていない。
遠くの街にきて非現実を味わう人の顔を見るのが、私の日常だ。
2/28『遠くの街へ』
「君が好き」
「愛してる」
「君だけだよ」
「君のほかには何もいらない」
とあるアプリ。
「本物より『本物』!?」のキャッチフレーズに惹かれてインストールしてみた女性向け恋愛アプリ。
ぬるぬると動く画像と無名ながら(私は知らなかった)演技力のある声優のボイス付き。
メッセージも送れて、定型文とは思えないほど多岐にわたった返信の数々は、彼氏の数年いない私をのめり込ませるのには十分だった。
そう、彼氏のかわりくらいならよかったのだが――。
『ただいまー』
『そうなの、今日上司がこんなこと言ってきて』
『ずっと一緒にいてね』
仕事から帰宅するやいなや、すぐにアプリを立ち上げる。
友人との遊ぶ予定やせっかく入れたマッチングアプリの人とのデートの約束もキャンセルした。
現実の人間なんて、私を傷つけるだけの関係はもういらない。
起ち上げたアプリのメッセージ欄に『愛してる』と文字を打つ。
2/27『現実逃避』
僕に君の知らないことなんてない。
誕生日も好きなものも、身長も体重も、ぜんぶ知ってるよ。
君は今何してるかな?
ごはん食べた?
ゆっくりお風呂につかる頃かな?
それとも僕の知らない誰かの腕のなかにいるのかな?
ぜんぶ聞いているよ。
2/26『君は今』
「どうしたの?そんな不機嫌そうな顔して」
こめかみを抑えて悩んでいるユリを覗き込みハルナは尋ねた。
「不機嫌そうっていうか不機嫌だわね」
ユリは無遠慮に撫でられたその機嫌を隠しもせず答えた。
「どうしたの?頭痛い?」
「そうね」
「どうして?偏頭痛?」
「そうね」
「天気悪いから?」
「そうね」
ハルナの質問に更にこめかみを押さえて答えるユリ。心なしかだんだん声が低くなっていっている。
「そうかー。泣くのか泣かないのかわかんない空模様だもんね」
「ちょっといい加減黙っててくれる?あんたの詩的な表現も今は受け入れられないわ」
机に突っ伏しそうなほど俯くユリが言うと、ハルナは能天気に「はーい」と返事をした。
2/25『物憂げな空』